33話まで読んだ感想です。
独特で不思議な浮遊感のある物語。
主人公のシズカは、突然異世界に誘われます。
そこでシズカは訳がわからなくなり、大いに戸惑います。
どこなのかも分からず、周りの人のことも分からず、自分の使える魔法のことも分からない。
それは当然だと思いますが、その戸惑いがシズカ独特の語り口で描かれていき、異世界に放り込まれたらこうなるだろう、というリアルなパニックを追体験できます。
この感覚は他の小説ではなかなか味わえず、作者様ならではだと思いました。
個性的で、深刻な場面でも妄想してしまい、度胸があるようで小心者。でも優しい。
そんなシズカの性格が、読んでいるうちにだんだん癖になります。
文章も読みやすく、不思議な感覚を味わえる作品です。
なお、作者様の返信も独特で面白いので、コメント欄を覗いてみるのも楽しいかもしれません。
大聖女、白い魔法の題名を見て、ああ、あれねと思いました。婚約破棄、悪役令嬢、はたまた偽聖女物語、一体どれなんだろう? そう思って読み進めましたが、「え、何これ?」と頭が一瞬停止してしまいました。違うのです、何もかもが。私の知ってる大聖女の話ではないのです。少しパニックになりながら読み進んでいきますと、…⋯あ、これは作者様が頭で一から考えた新しいお話なんだ、と気づきました。もう世界観が独特すぎて、作者様にしか作れない個性的なものなのです。そして何より作者様の熱意が伝わってきます。誰も真似なんかできません。そんな心地よく、そして切れ味のある世界観に、私はどっぷりと浸ってしまいました。山あり谷ありではなく、ちょっと靄のかかった視界が遮られたところを彷徨い旅している感じです。
悪役令嬢や婚約破棄といった物語も安心して読めていいのですが、こういった作品の中を彷徨ってみるのも絶対にアリだと思います!
主人公のシズカ(転移前は女子中学生・石井穏香)さんが、淡々と一人称で語るスタイルで、この物語は進みます。
シズカさんの語り口は丁寧で、少しおっとりしています。
サクサクのチートを求める方には向きませんが、詩情や人間性を求める方には心地いいスタイルです。
この物語の最大の特徴は、白魔法使用時に叙述される風景の詩的な美しさにあります。
シズカさんは、ダイブした患者の心の中の風景を、優しく丁寧に見ていき、その中で異常を発見し、正常化することで、患者の肉体的・精神的な傷を癒やしていくのですが、その記述が、風景描写としても、シズカさんの人格描写としても、実に美しいのです。
他の作品では決して見ることのできない、美しい景色、貴方も是非ご覧になってください。お勧めします!
全体として描写力がものすごく高くて、没入感のある素晴らしい作品でした!
特におすすめしたいのは、独創的な魔法の表現です。
ただ呪文を唱えてピカッ!で終わりではなく、精神世界の「黄金の麦畑」に入り込んで、患部の熱を「火事」と捉えて井戸水で消火活動をする……というプロセスが映像的ですごくユニークなんです。
また、「軽さ」と「重さ」の対比も見事でした。
マリアンの天然なキャラと、終盤で流れ込んでくる兵士の記憶(農民としての葛藤や死生観)の重厚さ。
このギャップが物語に深みを与えていて、ただの明るい異世界転移モノではないドラマを感じます。
続きが読みたくなる、とっても魅力的な導入でした!
気になった点をあえて挙げるとすれば、主人公マリアンの「私っておバカ」という自虐的な独白がちょっと多めなところかな?
シリアスな戦場の場面との温度差に、最初は少し戸惑うかもしれません。
ただ、その軽快さが重苦しい描写をいい具合に中和してくれているので、結果として読みやすさにも繋がっていると思います。
とても幻想的で綺麗なイメージの作品なので、表現に注目して楽しむと良いかもです。
少しだけ他者とは違う能力を持つ主人公が、異世界にてさらなる才能に目覚めていくファンタジー作品です。
主人公は考えるよりも先に、身体が動いてしまう女子中学生。
さらに生き物の助けを求める声が聞ける異能を持っており、そのせいで周囲からは浮いてしまっています。
ある日、いつものように聞こえてきた声は、これまでとは違う具体的な内容。
求められるまま進んだ先は、現実世界とは隔絶した血と剣戟があふれる世界。
そんな世界のなかでも主人公は自分の正しさに従って行動し、見様見真似で他者を癒す魔法を手に入れます。
果たしてこの力が、主人公にどんな運命をもたらすのか。
ぜひ読んでみてください。
ちょっと抜けてるヒロイン穏香。だけど、とても優しく、思いやりのある少女。動物の声が聞こえるという変わった特技を持つ他(それだけでも凄いけど(;^_^A)はいたって平凡な少女。
そんな彼女が異世界に飛ばされたら――そこはなんと戦場だった!?
いや、普通なら飛ばされるのはもっとメルヘンな世界じゃない?(;・∀・)
しかも、白魔法の才能があったらしく、いきなり使ってみたら……
昨今のWEB小説ではたいてイメージだとか無詠唱だとかが横行しておりますが、この作品はちょっと……いえ、だいぶん違うのです。
恐らく、この魔法のありかたが、この物語のキーとなっているのではないでしょうか。
これ以上はネタバレなので、みなさまも読んで確認してみてください(・ω・)ノ