変則的な死のルールを、ただ一人知る死神の協力者は、殺人を止められるのか

本作で最も特筆すべき点は、主人公・修司の立ち位置でしょう。
「限界集落の村人たちの死を管理する死神」と「死神のルールを利用して村人を殺す犯人」との間に、修司はいます。

死期の迫る人間の顔に黒いモヤがかかって見える修司は、死神・陸斗の『親友』。
死神は『死のルール』を定め、そのルールを侵した人間に死を与える存在です。
陸斗に協力を求められた修司は、死神の仕事を邪魔する何者かを見つけ出そうとしますが……

誰かに勘付かれるたびに変わる『死のルール』。修司だけが、それを陸斗から伝えられています。
不審死が続いたことで、隣人の不審な動きに村人たちが神経質になっても、修司は真実を話せません。
そのことこそが、唯一無二の緊迫感ともどかしさを生み出しているのです。

誰が『死のルール』を妨害しているのか。
誰が『死のルール』を利用しているのか。

どんどん数を減らしていく村人。
次々変わるルールと、それを探ろうとする者たち。
修司/陸斗から見えるものと、村人たちから見えるもの、その両者を勘案する必要があるため、推理の難易度が跳ね上がっています。
物理的条件と人間心理、さまざまに局面が変調していく物語は、まさしく『変奏曲』のようです。

集落が全滅するより先に、修司は『犯人』を突き止められるでしょうか。
そして、修司と陸斗の関係性はどう変化していくのでしょうか。
最後の最後までお見逃しなく!

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