人生いっぺん死んでからが、本番
- ★★★ Excellent!!!
生前の行いが良かった人は、死後に天国へ行く――
それは宗教上の寓話だと思われてきた。
けれど、この物語のカナリヤは、まさに死後の世界を歩いていく。
ネクロマンサーと共に、天国としか思えない場所を。
鼓動を刻まない冷たい心臓が、いつしか熱い想いを歌いだす。
そんな再生の物語が、この作品には静かに息づいている。
ただし、この天国の野原に咲くのは人食い植物。
白馬の王子さまの乗り物は、黒銀のドラゴンだ。
ラブラブなデートも、なかなかにスリリングである。
それでも、ネクロマンサーの愛は不器用で、どこか可愛らしい。
優しさは押しつけがましくなく、救いは声高に語られない。
ツライ現実を生きている私たちの癒しに、
少しだけブラック成分を含んだラブストーリーはどうだろう。