死者となった令嬢と、美しくも孤独な魔王。
死から始まる二人の出会いは、やがて世界を巻き込む溺愛と再生の物語へと変わっていきます。
ヒロインが冒頭で命を落とし、魔王(ネクロマンサー)、死体人形、瘴気などが登場する世界観は一見かなりダーク。
しかし作風は明るく、全体的に優しくあたたかい物語でした。
ハラハラする展開や熱いバトル、甘々でキュンキュンする恋愛要素もしっかり盛り込まれていて、長さを感じずにどんどん読み進めることができます。
カナリヤとサリオンをはじめとする登場人物たちもとても個性的で魅力に溢れています。
王道展開と独自の世界観が高いレベルで融合しており、最後はしっかりとハッピーエンド。
読み終えたあと、優しい余韻が残る素敵な作品でした。
理不尽な追放によって命を落とした主人公が、蘇生を施した魔王の魂を持つ青年と絆を深めていく恋愛作品です。
主人公はとある貴族の令嬢。
しかし、母の死を契機に扱いは最低になり、今では後妻の娘に虐げられる毎日です。
そんな折に発生したのは、主人公を犯人とする冤罪事件。
さらに、追放された先で起こったのは、背後からの容赦なき刃物の刺突。
主人公は無念のまま命を落とし、気が付けば彼女は辺境伯の城に招かれていました。
困惑する彼女を前に、辺境伯は蘇生の実行と結婚を前提とした交際を提案してきます。
果たして主人公の第二の人生は、今度こそ幸福になれるのか。
ぜひ読んでみてください。
生前の行いが良かった人は、死後に天国へ行く――
それは宗教上の寓話だと思われてきた。
けれど、この物語のカナリヤは、まさに死後の世界を歩いていく。
ネクロマンサーと共に、天国としか思えない場所を。
鼓動を刻まない冷たい心臓が、いつしか熱い想いを歌いだす。
そんな再生の物語が、この作品には静かに息づいている。
ただし、この天国の野原に咲くのは人食い植物。
白馬の王子さまの乗り物は、黒銀のドラゴンだ。
ラブラブなデートも、なかなかにスリリングである。
それでも、ネクロマンサーの愛は不器用で、どこか可愛らしい。
優しさは押しつけがましくなく、救いは声高に語られない。
ツライ現実を生きている私たちの癒しに、
少しだけブラック成分を含んだラブストーリーはどうだろう。
気づけば最新話まで完走していました。
冒頭、あまりにも救いのないカナリヤの運命に「なんて酷いことを……!」と拳を握りしめましたが、そこからの展開が最高すぎました。
この物語の魅力は、なんといっても「ギャップの黄金比」です。
死者を操る恐ろしいネクロマンサー・サリオン様。
その実態が、「初めての恋に空回りする、不器用な大型犬(ただし最強)」 だなんて、誰が予想できたでしょうか?
彼がカナリヤに向ける「溺愛」は、もはや暴力的なまでの直球。
自信のないカナリヤの心の氷を、物理(圧倒的愛)で溶かしていく様は、見ていて清々しい!
不幸のどん底にいたカナリヤが、少しずつ、本当に少しずつ「幸せ」を受け入れていく過程に引き込まれていきます。
読み進めるうちに、「頼むからもっと幸せになってくれ! 何なら私が城の壁になって見守りたい!」 という謎の親心が芽生えること間違いなしです。
シリアスな導入ですが、その先には極上の「癒やし」と「再生」が待っています。
「最近、心温まる物語を摂取していないな」という方。
ここです。ここに極上の温泉(沼)が湧いていますよ!
3話までの辛さを乗り越えた先にある、4話からの「第二の人生(溺愛ライフ)」を、ぜひ見届けてください。
私は引き続き、正座して二人の幸せを見守らせていただきます!