きみの心臓をたべたい
- ★★★ Excellent!!!
ビルの非常階段のフェンスに腰かけていた蜂谷 みつき(はちや みつき)。彼女の自殺行為を止める石蕗 星(つわぶき せい)。二人の女性の間に相反する死と生への執着が交錯する物語。
「生きたくて、生きたくて、生きたくてたまらないから、私にあなたの心臓をください」
心臓を患う星はみつきの心臓を求めるため彼女を自宅アパートに監禁する衝撃パート。
自分と同じ宿痾の組織と同じ部位の臓腑を喰らえば延命できるというまじないが、星を突き動かしていく展開に肝を冷やされる思いです。
これはカニバリズム的嗜好の偏執的な愛を描く、艶めかしくも尖った百合小説です。