炎の中で、前髪が天下を取りにいく
- ★★★ Excellent!!!
最初は、小谷城が燃える匂いと熱で始まる。そこで茶々が見せるのは、幼いのに「引かない」目。ここがまず気持ちいい。
なのに場面はすぐにひっくり返って、母上のブチ切れが“物理”で世界を揺らす。笑えるのに、笑ってるだけじゃ済まない温度があるのが良い。
信長もただの怖い叔父じゃなくて、茶々の質問に淡々と答えたり、三姉妹に振り回されて硬直したり、妙に人間くさい。そこが読んでて楽しい。
二話以降は「かぶけ」「前髪の角度」「第六天魔王」「ぜっつー」みたいに、言葉がそのまま勢いになって、庭の空気ごと持っていかれる。
戦国の入口の重さを残したまま、バカっぽく突っ切るのが上手くて、次もそのノリで何をいじり始めるのか見たくなりました。