ハガキ一枚から始まるのに、胸の奥がざわっとしました。勉強の時間、夢の話、友達の笑い方。全部が同時にあるのに、同じ方向を向けない空気が刺さります。天文台の寒さが、心の冷えとつながっていく感じがありました。誰かの明るさが、別の誰かの痛みに見える瞬間があって、息が止まります。でも、そこで終わらないで、ちゃんと“手”を伸ばそうとするのが沁みました。気づいたら、次の場面を追いかけていました。
文章の書き方がまずお上手で、(間の空け方、伏線、心理描写、起承転結など)いつの間にかお話の中に没入しておりました。小学校の頃からの三人の絆は、月のように煌めいていました。
小学四年生のとき、同じクラスになった那美、静、望の三人。ある日の帰り道に静が言いました。「月にウサギはいると思う?」そこからずっと、三人の夢は「宇宙飛行士」。大学受験を控えたスーパームーンの夜、三人は天文台で再会します。そこで静は、ある重大な発言をするのでした――手の鳴る方へとひたすら進んできた道のり。もしもその手が突然なくなってしまったら?怒り、戸惑い、涙しながら気づいたことは何か。彼らは生き生きと胸を張って言うでしょう。『三人の夢は、今も「宇宙飛行士」だ。』