理想のバー体験を求める残念ヒロインと内心絶叫するマスターの接客コメディ
- ★★★ Excellent!!!
生真面目なバーのマスターの前に現れたのは、真紅のドレスとピンヒールで武装した20歳の女性客。「このセリフを読んでください!」――彼女が求めるのは、映画や小説で見た"理想のバー体験"の完全再現だった。
危険な香りのダンディなナンパ、訳ありの悪女演技、人生相談という名のバイト相談。毎回無茶振りを続ける彼女に、マスターは内心で絶叫しながらも完璧な接客態度で応じ続ける。彼女が帰った後は毎回、店先に塩を撒くのが日課に。
マスターの「(帰れ)」「(もう勘弁してください)」といった心の声と、表面上のプロ意識のギャップが笑いを生む。そして彼女は毎回、支払いを忘れて帰っていく――。
短編らしくテンポよく展開し、最終話で一応の成長を見せる彼女。だが最後の一言で、またも1キロの塩が店先に撒かれる。軽快なコメディとして楽しめる一作。