学園に潜む伝説の死神の正体とは!?
- ★★★ Excellent!!!
織音学園には【冥恐の死神】という怪談話がある。
その死神を封じ込めたとされる【死神の岩】が撤去される当日、新聞部メンバーが取材に向かう――というところからストーリーは始まる。
学園ミステリーだ。
怪談話がもたらす怪奇な不安感と、実際に起こる猟奇的な殺人事件。
これは推理小説で言えば、エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』にまでさかのぼることができる伝統的な仕掛けだろう。
この、恐怖を理性によって解体して論理的な快感を得るという体験は、何より私の愛するところだ。
レビューを書いている現時点ではまだお話は折り返しというところだが、被害者たちの名前にまつわる謎や思わせぶりな人物の登場など、まだまだ伏線を感じさせる構成がこれから起こるであろうさらなる事件を期待させてくれる。
だからあなたも第一話だけで印象を決めつけず、読み進めてほしい。
作者はきっと予想を覆す展開を用意している――これは、紛れもなくホラーの皮を被ったミステリーなのだから。