変わらない日常が、少しだけ怖い

  • ★★★ Excellent!!!

冒頭の激しい死と、続く穏やかな日常。
その落差が、この物語の不穏さを静かに際立たせています。

花屋の空気、食卓の会話、季節の描写はとてもやさしく、読み心地は柔らかい。
それなのに、「変わらない」という言葉が何度も胸に引っかかり、読者は自然と違和感を抱くことになります。

派手な展開に頼らず、時間と感情のズレで物語を進めていくタイプの一作。
この日常が崩れる瞬間を、見届けたくなる第1話でした。