私は人間モドキ、でも生きている

縞間さんの作品に時々出てくるカラダを売ることを活計としている女性。これは縞間さんが実際に見聞きした女性たちがモデルらしい。

だから描写がとても具体的でリアル。
普通に生活していたらなかなかお目にかかれないし、その実態は計り知れない彼女たちのリアルをこの作品の中で覗き見ることができる。実に貴重な経験である。

過去作でも出て来た、彼女との初めてを迎える前に練習したいという男性、恋人を亡くした傷心の男性、人間モドキと自分を称するする冴子は、プロとして彼らを文字通り全身全霊で労わる。

最後には身体に沢山の自傷を持つ女も、冴子を買う。

その様々な話を通して垣間見える哀愁と諦めの感情。しかし冴子の投げやりな台詞の中に込められた作者の冴子への深い愛情、そして人間としての誇りと尊厳を私は感じた。

女性の心理描写には定評のある縞間さんの“冴子シリーズ”の集大成というべき秀作です。是非読んで頂きたいです。

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