どこか擦れたお姉様の冴ちゃん。
都会の裏路地で男たちの欲望をときにはエロチックに受けたり、するりと受け流したり。
冷めた口調、でも芯は温かくて強い。
そんな冴ちゃんが、愛を知ったらどうなるのか?
過去にも辛いことがあり、そして作中も何度も辛い思いをしながらも、もうダメだと挫折しそうになったときも、冴ちゃんは人として成長していきます。
冴ちゃんがどこへ向かうのか、そのとき周りの人たちは?
人間の業とはなんなのか。
そして命とは?
壮大な人間ドラマに、涙が止まりません!
みんな、冴ちゃんのお話、ぜひ最後まで読んでくださいね!
後半はハンカチじゃ足りないので、ハンドタオルを用意してね!
ヒューマンドラマ大得意の縞間かおるさんのカクコン長編です。人情の絡んだ濃厚な密度で物語は展開されます。ですが、文体は難しくなく、サクサク読めます。挿絵も沢山入っていて「おー、こんときの冴ちゃんはこういう感じ」とリアルに感じ取ることができます。
主人公は、とある都会の片隅で身体を売って生きている佐藤冴子。若いころにひどい暴行を受けて、姿形を変えて、「私なんて人間モドキ」と自嘲しながら日々を生きています。
が、この人は、あけすけに見えて、その実とても細やかで優しく、人の心に寄り添うことができる人です。頭もいい。
当然、幸せになるチャンスは沢山あり、近づいてくる人もいますが、自らを「人間モドキ」と思っている冴子は、それに手を伸ばすことができません。
第1部から第5部までありますが、その中に出てくる人たちもまたとても魅力的。特に、第3部のお仕事編の上川社長がいい。男らしくて、頼りになります。
こうした素敵な人たちとの出会いを通して、冴子も少しずつ心持が変わっていきますが、どうしても幸せを追い求めることが出来ない。
その心のガードを打ち破ったのも、やはり周りの人たちの真心でした。
素晴らしいハッピーエンド。
みなさんも最後まで読んで、幸せのお裾分けを頂いて下さい。