刻まれてしまった恐怖は、どこまでも
- ★★★ Excellent!!!
モナリザって、「世界でもっとも知られた、もっとも見られた、もっとも書かれた、もっとも歌われた、もっともパロディ作品が作られた美術作品」といわれているんだそうです。
つまり、絵画オブ絵画ということですね。
これには牛乳女もびっくりです。
さて、そんな有名すぎるモナリザの肖像画ですが、度々その作品は謎めいたものを人々に投げかけます。
「彼女はなぜ微笑んでいるのか」とか、「彼女はどういう人物なのか」とか、「そもそも彼女は実在したのか」とか。
つまり、彼女はとてもミステリアスな存在……謎の美女なわけですね。
そういうよくわからないものには、「未知の恐怖」と呼べるものの影があったりするわけで。
そういうものを、幼心の独特な感性で痛烈に感じ取ってしまったのでしょうね。
彼の精神にモナリザの姿は焼き鏝による刻印のように深く刻まれてしまい、以後彼の人生を壊し続けます。
謎に満ちたあの微笑が、ずっとあなたを見つめ、追いかける。
寝ても覚めても、あの顔がいる。
心休まるときなど、ない。
そんな彼が、最終的にどうなってしまったかは……モナリザだけが知っているのかもしれません。