伯爵令嬢アリスリンデと辺境伯ガンターの契約結婚――でも本当は……?
- ★★★ Excellent!!!
二十歳の伯爵令嬢アリスリンデと、女性嫌いで大男の若き辺境伯ガンターの二人が、急転直下の契約結婚(白い結婚)する物語です。
夜会にて王妃のネックレスを盗んだ罪を着せられ窮地に追いやられていくアリスリンデ。そして婚約者である第二王子セオドアによるこれ見よがしの婚約破棄。
その修羅場を観ていた辺境伯ガンターは彼女を助けるため?にアリスリンデに結婚を申し入れる、まさに怒涛の展開。これには多くの読者が目を見張ることでしょう。ここまではよくテンプレとして見受けられることが多い王道ストーリーだと思います。
さてここからです。
悪役令嬢シリーズはこの先でどうなるかが重要な分かれ道だと思います。
ザマァコースか溺愛系か、果ては男装女装モノか……
分岐する中で本作はコメディテイストの恋愛路線を進むのですが、これはこれでかなり面白いです。
それもそのはず。
女性慣れしていない大柄で屈強なガンターは新妻アリスリンデの愛らしさにノックアウト寸前。心臓が爆発しそうなくらいテンパってオロオロしてしまうのですから。
ガンターの心の声が聞こえる回は滑稽で笑ってしまいますね。挙げ句の果てに二人きりの初夜のシーンでまさかの……思わず読んでいてハラハラしてしまいますよ。
キャラ造形も濃いです。
アリスリンデを陥れようと画策するタチの悪すぎるクセモノ王女・コリンヌ。アリスリンデはガンターと契約結婚しているにも関わらず、ガンターと結婚するから引き下がれと口うるさく絡んできます。
しかしこれを毅然とした態度で正当な理由で理知的に対応するアリスリンデ。対する感情的な物言いで終始する品位のかけらもない王女コリンヌ。
アリスリンデ嬢、やっちゃってください! と応援したくなる小さなザマァ感も味わえるでしょう。
アリスリンデに悪意を抱く王妃と令嬢の思惑。その全体像が明らかになった時、アリスリンデとガンターはどう立ち向かうのか?
そして契約結婚という制約から二人にとっての真の幸せを掴むことができるのか、この先も本当に楽しみです。