出てくるみんながもう愛おしくて、いつまでも世界に浸っていたくなる素敵な作品でした。
主人公アリスリンデ。彼女はいわゆる「悪役令嬢」のような地位に陥れられるような境遇になってしまいます。
類まれなる「朗読」の才能を持ち、聞く人々を魅了していた彼女。しかし、突如の婚約破棄を言い渡されて不遇な状況に。
でも、そんな彼女を救ったのは辺境伯であるガンター。ガンターは朗読を聞いたことからアリスリンデは「天性の女優」だと評して、これから「契約結婚」という形で自分の妻の役を演じて欲しいと頼んできます。
そこからの二人のやり取りが、またすごく微笑ましい。
アリスリンデの心情。ガンターの心情。展開の中で見えてくる二人の内面を見ていくと、もう初々しい感じが強くて、可愛らしいとすら思えてきます。
アリスリンデは一見ツンとして何事にも動じないようなイメージもあるのですが、その実は「人からあまり直球で褒められることがない」ことから自己肯定感が低めな感じが見えてきます。そんな彼女がガンターからの直球な(というか天然な)ベタ褒めなんかを受けて、割とまんざらでもない要素を見せたり。
一方でガンターも不器用な性格で、「契約結婚」なんて言いながらも実は……という点が見えてくると、「この人、とにかく滅茶苦茶イイ奴だな!」とすごく見守っていきたい気持ちにさせられます。
ちょっと妄想癖があって痛々しいポエム的なものを発してしまうのだけれど、アリスリンデのために頑張る時はひたすら頑張ってくれる姿が好感度大でした。
気が付けば、出てくるみんなのことが大好きになって、幸せになってほしいって思いながら読み進めるようになっていました。
そんなアリスリンデやガンターたちが迎えるラスト。タイトルの回収や、アリスリンデの特技、そしてガンターの強い想い。それらが一つに収束して迎える大団円。
読み終えた後、とても幸せな気持ちになれました。この作品に出てくるみんなに出会えて良かったと、強く心を満たされる一作です。
冒頭では、流行りの恋愛小説が本作のヒロイン・アリスリンデによって朗読されます。
その小説に登場するヒロインに自らの想いを重ねるアリスリンデが切ないです。
王宮の王妃の策略に陥れられたアリスリンデですが、今後はその真相がおおやけになり、アリスリンデの屈辱が晴らされる日が来ることを期待します。
「天性の女優だ」とガンターが認めたアリスリンデが、どんな妻を「演じる」のかも見どころの一つ。
魅力的なキャラを生み出すことに長けた作者様ですが、本作も個性が光るヒロイン・アリスリンデや、頼れる剛健さのなかに茶目っ気が可愛いオトナなヒーロー、ガンター。
そんな彼らの「契約婚」から始まる結婚生活に、様々な事情を抱えていそうな周囲の者たちがどう関わってくるのか。
王子の婚約者でありながらも理不尽さを抱えていたアリスリンデの魅力を理解し、とある理由のために契約婚を持ちかけたガンターにアリスリンデが惹かれ始める日が待ち遠しいです!
二十歳の伯爵令嬢アリスリンデと、女性嫌いで大男の若き辺境伯ガンターの二人が、急転直下の契約結婚(白い結婚)する物語です。
夜会にて王妃のネックレスを盗んだ罪を着せられ窮地に追いやられていくアリスリンデ。そして婚約者である第二王子セオドアによるこれ見よがしの婚約破棄。
その修羅場を観ていた辺境伯ガンターは彼女を助けるため?にアリスリンデに結婚を申し入れる、まさに怒涛の展開。これには多くの読者が目を見張ることでしょう。ここまではよくテンプレとして見受けられることが多い王道ストーリーだと思います。
さてここからです。
悪役令嬢シリーズはこの先でどうなるかが重要な分かれ道だと思います。
ザマァコースか溺愛系か、果ては男装女装モノか……
分岐する中で本作はコメディテイストの恋愛路線を進むのですが、これはこれでかなり面白いです。
それもそのはず。
女性慣れしていない大柄で屈強なガンターは新妻アリスリンデの愛らしさにノックアウト寸前。心臓が爆発しそうなくらいテンパってオロオロしてしまうのですから。
ガンターの心の声が聞こえる回は滑稽で笑ってしまいますね。挙げ句の果てに二人きりの初夜のシーンでまさかの……思わず読んでいてハラハラしてしまいますよ。
キャラ造形も濃いです。
アリスリンデを陥れようと画策するタチの悪すぎるクセモノ王女・コリンヌ。アリスリンデはガンターと契約結婚しているにも関わらず、ガンターと結婚するから引き下がれと口うるさく絡んできます。
しかしこれを毅然とした態度で正当な理由で理知的に対応するアリスリンデ。対する感情的な物言いで終始する品位のかけらもない王女コリンヌ。
アリスリンデ嬢、やっちゃってください! と応援したくなる小さなザマァ感も味わえるでしょう。
アリスリンデに悪意を抱く王妃と令嬢の思惑。その全体像が明らかになった時、アリスリンデとガンターはどう立ち向かうのか?
そして契約結婚という制約から二人にとっての真の幸せを掴むことができるのか、この先も本当に楽しみです。
完璧な令嬢アリスリンデは第二王子の婚約者。
なのに王子は彼女に冷たく、王妃様もどこか彼女に対して悪意を持っている様子。
ある時、王子にまとわりつく令嬢と王妃によって、アリスリンデは不名誉な罪に問われることに……。
婚約を破棄された時、彼女に結婚を申し込んだのは、いかつい武人である辺境伯のガンター。
彼は彼女の朗読を垣間見、その演技力に惚れ込んで契約結婚を申し込んだのでした。
一年間の白い結婚。
そのはずだったのですが——。
戦いには強いが女性にはとんと弱い辺境伯。
自分で契約結婚を申し込んでおきながら、美しい妻アリスリンデに動揺しっぱなし。
その可愛さに、堪えきれずにとうとう逃げ出す始末。
契約結婚とはいえ、他の人には内緒です。
二人は夫婦を演じなければならないのに、旦那様がこれでは一体どうなるの??
ゴツい外見に似合わずおろおろするガンターが可愛くてしょうがないです♡
ガンターのトラウマになっている女性とは?
アリスリンデの冤罪も晴らさないと!
まだ二十話までですが、この先一体どうなるのか期待でわくわくします。
この結婚、目が離せません!