見つめ返される恐怖、鏡越しの静かな戦慄

 まるで静かな部屋に、ふっと薄い膜のような不安が落ちてくる――そんな読後感でした。

 日常の中にふいに差し込む“異物”の気配が、じわじわと胸の奥を冷やしていくのに、不思議と目が離せません。予言が外れるという軽妙さと、映り込む“顔”の不気味さが同居していて、そのアンバランスさが物語全体に独特の余韻を感じました。

 語り手の心の揺らぎに寄り添いながら読むうち、ふと自分の背後の鏡を見たくなくなるような、静かな恐ろしさが残るお話でした。

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