愛すべき等身大の古代異文化恋愛ファンタジー小説
- ★★★ Excellent!!!
社畜OL『乃愛』がメソポタミア文明風の異世界に召喚されたと思ったら、バビロニアの王らしき『ラビ陛下』からの突然のプロポーズーーー(あらすじより)
海外の歴史ものを書いている私は、仲間を見つけたつもりで作者様と本作を見つけ「どれほどのものだろう」と少し挑戦的な気持ちで読み始めたわけだが、結果として圧倒的な力量差を見せつけられる事になった。
まず、多くの読者は日本以外の歴史にたいしてあまり関心がない。
エンタメ作品であれば、それを踏まえて読者を魅了し、かつ歴史にたいして真摯な態度が必要だと私は考えている。そのつもりで自身は執筆していたのだが…
『陛下!お戯れの前にお仕事です!』を拝読してその自由な発想、圧倒的なユーモアは私の硬直した考え方を根底から破壊して、ただひたすらに笑わせてくれた。
ページをめくる手が止められず、読むたびについ口角があがり、時には声を出して笑ってしまう。
古代の王を前にして、まるで仲の良い男友達と接するかのような乃愛の振る舞い。
それに振り回される古代のイケメンな王族達。
面白い。面白すぎる。
にも関わらず、作者様の圧倒的な知識量を背景にして、この世界は確かにバビロニアであり、メソポタミアに関心を持たずにはいられなかった。
これほどの作品を世に送り出してくれた作者『すみれ』様に私は心からの感謝と賛辞を贈りたい。
そして、望むらくは本作を書籍として、私の書架のお気に入りに並べる事を切に願ってやまない。