獣人が支配する世界、人間が奴隷化されているという条件
獣人なら誰でも強いという訳ではなく、強さを維持する為にはルーメンが必要だという定義付け
素材も世界観も良いのに伸びないなあ…というのはカクヨムではよくあることかと思います
ご本人もPVが続かず、方向性を変えた方が良いのかなあ…と悩んでおいでのご様子なので、個人の感想として以下に気になった点を
◆場面の切り取り方
2人の主人公の視点が短時間で交互に切り替わるため、主人公のどちらに感情移入して良いのか読み手が決めかねているのでは
リフに共感し、彼女の痛みを自分のことのように思う前に、ゼノ視点に移動してしまうのが少し勿体ないかなと思います
情景描写は十分なのに、なぜかのめりこめない要因の1つかもしれません
◆いわゆる負け組として、かろうじて命をつなぐだけの生活を続ける2人
おそらく時系列的にエピソードを並べているので、どうしても序盤(導入部分)に事件性がなく、淡々と鬱々と世界が進んで行く形式
好きな人にはものすごくハマる形式なので、一概にダメとは言えないです
鬱々とした空気が漂う世界観なのですが、空気を匂わす程度に抑えて表現されているのが逆に勿体ない気がします
こういった淡々とした、絶望の中で過ごしている負け組時代をしっかり書き切るから、その後のカタルシス効果として「成り上がる」描写が読み手の心を掴むことになると思うので(個人の感想)
たとえば、リフがただ気を失っているのではなく、眠っている時に実験材料にされていた頃の夢を見て強烈にうなされているシーンを入れるとか
ゼノが宿に転がり込んできた時に、リフが真夜中に悪夢で飛び起きて息切れや発作を起こすものの、ゼノはゼノで寝たふりをして無関心を装いつつ、自分も闘技場で受けた傷の痛みに耐えているとか
明日に希望が持てない、絶望しかない、そういう風に生きるしか「生き方」を知らない、という描写をこれでもかと詰め込んでみるのも手だと思います
勿論読み手は選びますが、これ程の絶望からどうやって獣の王になれるんだよ!? という、いわゆる「無理ゲー」からの逆転を期待させるのは悪くないかと
PV伸びないと辛い気持ちはわかります!
お互い、諦めずに頑張りましょう
ep14まで拝読。
獣人達が支配する、力が全ての“地下格闘技場”
そこで負け続きの蝙蝠『ゼル』
最下層の下働きである人間『リフ』
価値の無い二人の出会い。
本作は獣人達による地下闘技場での試合結果が主軸となって進行する。
獣人の咆哮と喧騒に包まれているはずの世界でありながら、場面の切り取り方は静謐。
読み手に届けられるのは負け続きのゼルの憎まれ口と、生きる事を諦めたリフの会話にもならないような会話だ。
情感を極力抑え、淡々と描かれる二人の関係は熱いものではない。
小さじ1杯ほどの哀れみと好奇心。
この匙加減が見事で、二人のやりとりに目が釘付けになってしまう。
それはまるで、無声映画かフランス映画でも観ているような心持ちになる。
だからといって退屈を心配する必要はない。
描写に負けず劣らず、物語の展開も場に即した見事な切り口で楽しませてくれるのだから。
本作はBLと銘打っているが、あまり構えずに一度、目を通していただきたいと思う。
この作品の美しさ、優しさが正当に評価される事を私は願ってやまない。