自己の解放と、母娘による魂の共振
- ★★★ Excellent!!!
静謐でいて、同時に激しいエネルギーを内に秘めたさくらさんの人生を映し出す、誠実で洞察に満ちた証言です。
この作品は、一言で言えば「自己の解放と、母娘による魂の共振」の物語だと感じました。
「木野キノコ」という語り手は粘土と釉薬と毛糸でできた、蒼い染付のドラゴンという存在が語り手である点が非常にユニークです。キノコさんは、さくらさんの創造の源泉、自己の象徴、そして芸術活動の「証拠」として、常に最も近い場所から全てを見つめています。その「重さ」は、単なる物質的な重さではなく、さくらさんの歴史と、解き放たれたドラゴンの魂を宿す重みだと感じられます。
ターミネーターのサラ・コナーに憧れ、猟銃免許を取り、「クマの手を撃ち落として、煮込んで食べてやるわ」と言うさくらさんの言葉には、現代社会への警鐘と、原始的な強さへの回帰願望が強く表れています。この切迫感こそが、彼女の制作とパフォーマンスの根底にあるエネルギーなのだと感じました。
全体を通して、木野さくらという女性の強烈な生命力、原始への希求、そして芸術を通じた自己解放のプロセスが、キノコさんの静かな観察を通して鮮やかに浮かび上がる、非常に力強く、美しい作品でした。