誰かが言った、
「君は落ちこぼれ」だと。
誰もが言った、
「君たちは落ちこぼれ」だと。
何から落ちこぼれたのか。
何からこぼれ落ちたのか。
少しだけ、ほんの少しだけ、
掛け違えてしまっただけ。
どこからも落ちていない。
どこからもこぼれていない。
ひとつ、ひとつと回路をつなぐ。
ひとつ、ひとつと絆を結ぶ。
彼の命と彼らの未来も
つなげることができるのか。
魔法をプログラミングに落とし込むハイファンタジー作品です。
比喩等にもプログラミング用語が多用され、作品全体がプログラミング色に染まっている印象です。その色の濃さこそが作品の個性として、独自性を確立しているように思います。
また、作者様の文章力や構成力の高さ、設定の作り込みの深さにも脱帽します。
理解が難しい部分については補足の説明があるので、プログラミングの知識がなくても楽しめます。
魔法のデバックとはなんなのか。本作品を読んで、スッキリと最適化されてみてはいかがでしょうか。
王道テンプレの骨格を持ちながら、
それを上質に、丁寧に描こうとしている姿勢が随所に感じられました。
設定や世界観の構築もきちんと練られており、
勢い任せではなく、読ませるための“設計”が施されている印象です。
主人公・ラビの視点も静謐で好感が持て、
テンプレ的な「俺TUEEEE」とは少し違う、
抑えめながら芯のある語り口が魅力的です。
特に第5話――ボロ寮の描写と、それを受け入れるラビの独白が非常に印象的でした。
世界の隅に追いやられた空間に、彼自身の現在の心情が重ねられていく様は、
どこか文学的な余韻があり、読み終えたあと静かな余熱が残りました。
この先、ラビがどのように自身の在り方と向き合い、どんな結末に辿り着くのか。
単なる“ざまぁ”では終われないであろう構造を感じるだけに、
最後まで見届けたくなる物語です。