概要
いつも同じバス停から同じバスに乗り合わせる朝霧《あさぎり》あまね。
梅雨時の混雑したバス。偶然隣り合わせになり、接点を持つことになった二人。
無邪気で少し不思議な彼女に、彼はいつの間にか心を奪われていく。
けれど、彼女の笑顔にはどこか影があった。時折見せるよそよそしい姿。彼女が隠している「秘密」とは?
夏の光、秋の風、冬の静けさ――季節の移ろいの中で、二人の距離は少しずつ変わっていく。
そして春。
直陽は、あまねの“真実”に触れる。
【表紙】
https://kakuyomu.jp/users/moonboat2025/news/822139840514089850
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!季節をめぐるたび、君との距離が少しずつ変わっていく
梅雨時のバスで始まる、ささやかな出会い。人付き合いが少し苦手な直陽と、無邪気でどこか不思議なあまねが、季節の移ろいとともに少しずつ距離を縮めていく空気感がとても魅力的です。
写真が好きな直陽だからこそ切り取れる景色と、あまねが時折見せる影。その穏やかな日常の中に「彼女は何を隠しているのか」という静かな謎があることで、恋愛だけではない余韻が生まれています。
さらに、黒猫の視点から語られる「意志と運命」というテーマも印象的。偶然に見える出会いが、後から振り返れば必然だったように感じられる――そんな物語になりそうな予感があります。
梅雨から春へ。
一巡りする季節の中で育っていく恋と、その先に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まだ恋じゃない、その手前の距離
雨のバス停から始まる、ごくありふれた日常。
でもその「ありふれた距離感」を、ここまで丁寧に、静かに描けるのがこの作品の強さだと思います。
登場人物は特別なことをしないし、大きな事件も起きない。
それなのに、視線の向きや席の位置、何気ない一言の積み重ねだけで、少しずつ関係が動いていくのが心地いい。
会話のテンポは軽やかだけど、主人公の内側はちゃんと慎重で、現実的。
「気になっている」と自覚する前の、言葉にできない引っかかりがとてもリアルでした。
派手なラブコメではなく、
静かで、湿度のある、日常に溶け込む恋の始まりを読みたい人におすすめです。
読後に、雨の日のバスや大学の教室の空気が、少し違っ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!雨音が奏でる、不器用で優しい恋の旋律
本作は、写真を愛する少し内向的な大学生・月城直陽と、天真爛漫な少女・朝霧あまね。対照的な二人が、梅雨のバス停という日常の一コマで出会うことから動き出す、王道の、しかしそれゆえに尊い青春ラブストーリーです。
特筆すべきは、その圧倒的な「空気感」の描写です。窓を打つ雨粒、部室に漂う静謐な空気、そして少しずつ縮まっていく二人の距離感。視覚だけでなく、匂いや音までもが伝わってくるような繊細な文章は、読者を一瞬にして物語の世界へと引き込みます。
また、明るく振る舞うあまねが時折見せる「影」や、プロローグに登場する猫の存在など、単なる甘い恋愛小説に留まらないミステリアスな引きもあり、ページをめくる手…続きを読む