雨音の調べが導く、優しい想い。写真と言葉が重なり始める、青春の序章。 

雨の季節に出会った二人が、少しずつ心を寄せていく過程がとても丁寧に描かれた章でした。
写真と言葉という違う世界を持つ二人が、お互いの弱さや迷いにそっと触れていく姿が愛おしい。
ときに曇ってしまう直陽の心を、あまねのまっすぐな言葉が静かに照らしていくのが温かい。
仲間たちとのやり取りも作品の空気をやわらかく支えていて、世界に息づく優しさが伝わる。
梅雨空の下で芽生える、小さくて確かな「前に進む力」を感じられる物語でした。

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