魔眼の少女に（が）人たらしが（に）恋を教える

男性を狂わせる“魔眼”を持つ綾女（あやめ）は、短髪と黒縁メガネで目立たぬように生きている。

「気付かなくていいことまで気付いちゃう」——人たらしの「天才」を自認する凛花（りんか）は、そんな綾女の“保護色”をひと目で見抜き、「あやめが人を怖がらないようになるまで、隣にいる」と軽やかに宣言した。

雨の昇降口で曇るレンズ、図書室の最奥、文化祭でのレンズ破損、集合写真という罠、そして過去からの外圧。
凛花は声・手・距離・光量を整え、綾女の“盾だったメガネ”を少しずつ“世界を見る窓”へ変えていく。
やがて二人は「二人なら食べていける」未来を語り、視線の呪いは“見る主体”へと反転するのか——。

濃密な心理と生活の回復を、視線と共感で編む学園百合。
地味系魔眼少女×EQ200の人たらし、安全基地から未来へ踏み出す。