作者さまらしい耽美な作品。読んで、酔って、楽しんでもらえる佳品です。

『蛇のくちづけ』は、蛇の性質に象徴されるような、執拗で、それでいて抗いがたい美しさをまとった愛を描いた作品です。

冒頭から惹き込まれる、その圧倒的な描写。

蛇のぬるぬるした、湿り気を帯びた情と、同時に蛇の冷たい体温を象徴するような緊張感に溢れた作品です。

こんな蛇のような人に噛みつかれたら、2度と抜け出せないと納得させられます。

逃げなきゃいけない危険な相手に絡め取られていく様子が、秀逸であり、この作品の素晴らしさでもあります。

どうぞ、お読みくださいませ。