首相が潜るダンジョン無双、笑えて刺さる政治改革譚
- ★★★ Excellent!!!
タイトルの時点で「首相がダンジョン行って無双するって何!?」ってワクワクで入ったのに、読み進めるほど「え、これ…それだけじゃない?」ってなる作品でした。
もちろんダンジョンパートは痛快で、トップが最前線に立つ“絵面の強さ”と無双の爽快感がしっかりあります。読んでて気持ちいい。
でも面白いのは、そこをただのノリで終わらせず、政治家としての思考がちゃんと芯にあるところ。世論やメディアの空気に流されやすい怖さとか、現場の声の複雑さとか、意思決定が「しがらみ」とセットになってる感じが、意外とリアルに描かれて新しい気付きがあります。
だから読後感が「無双」で終わらないんですよね。パロディっぽい入り口で読みやすいのに、気づいたら政治の現実とか“国のために動く”ってどういうこと?まで考えさせられるバランスがすごい。ダンジョン×政治ファンタジーとして、ちゃんと“読ませる”一作です。