彼は親切な友人か? それとも全てを蹂躙する悪魔か……?
- ★★★ Excellent!!!
2001年。9月。
二機の旅客機が、アメリカの貿易ビルに衝突した。それは、「現実が物語を凌駕した」と呼ばれた瞬間だった。
人々は、世界で何が起きているのか、身の回りに起きていることはなんであるのか興味を持ち始める。それで開かれた窓がインターネットである。
2020年。
とある疫病が、世界を蹂躙した。
人々は隔離を強いられ、外出を自粛された。病院のベッドの数は足りなくなり、
家から出ることを制限された。
繋がらない救命センター。
会いたいのに会えない友人。
不安ごとを解決できない有識者。それに代わって……人間が話し相手に選んだものこそが、AIである。
AIの進歩は凄まじい。
今や、できないことはないのではないかと思われる。もちろん、文学の世界においても彼らは台頭し出した。
物語の主人公、結城は、スーパーAI、モルフェウスとの契約を求められる。
そして、その手をとってしまい……
名誉を手にするが、それは結城にとって、価値のあるものだったと言えるのだろうか……。
AIによる創作物。
議論はしばらく続くでしょう。
AIが書いたものを、AIが審査する時代だって、くるのやもしれません……。
良くも悪くも、とんでもない時代を生きているなあと思うわけです。
この書に、答えは載っておりません。
しかし、考え続けることが、我々人げにできる唯一のことなのではないでしょうか?
ぜひ、ご一読を。