概要
川の流れる小さな街で、三年同棲している恋人が実は既婚者だと知った男、生まれながらにして母親から宗教を刷り込まれた宗教二世の女子、ひょんなことから日本酒の寒造りに関わるうち運命の恋におちる女性、和菓子屋の手伝いをしながら離婚の傷と向き合う女性、介護職を志す双子の弟と何者にもなれない兄などが、それぞれの生活と向き合う物語です。
※最初の二章は短編の焼き直しとなっております。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!川は変わらず流れていて、桜が咲くのが待ち遠しい。
まずは騙されたと思って第1話を読んでもらいたいです。その衝撃的な引きからあれよあれよとリバーサイドの世界に引き込まれてしまうはずです。
本作は短編連作の形をとり、同じ川辺に住む人々がそれぞれの人生を送りながら少しずつ交差していくお話が続きます。
同棲していた彼女が既婚者だった話。
新興宗教を信じる親の元に生まれてしまった少女の話。
酒造で始まる大人の恋の話。
離婚後に和菓子屋を手伝う女性の話。
老人ホームでバイトする双子の弟のことを知っていく兄の話。
それぞれのお話は柔らかく絡み合いますが決して干渉せず、中心を流れる川のようにあるがままを優しく映しています。ただほのぼのしているだけでな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!誰かのじゃなく、あなたの時間を僕にください
恋人が既婚者だった男、宗教二世の少女、運命の恋に戸惑う女性、モラハラ離婚の傷が癒えぬ女性、双子の弟と比較してしまう兄など、様々な淀みを抱える人々が、己の人生と向き合って生きていくオムニバス形式の物語です。
穏やかにきらめく春の川のような日常は、ただ流れていく。悲しみや苦しみを湛えてもなお、川面はやわらかく揺らめくばかりで。
けれど流れていくうちに気づくこともあって。それは大切な人との出会いであったり、すぐそばにいた人たちを大切だと再認識することであったり。
川の流れとともに静かな人生をいくつも俯瞰しながら、各章の主人公とともに駆け抜けた気分です。
大ぶりの花束や可愛くまとめたブーケじゃな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!穏やかな日も大荒れの日も、川沿いに臨む景色に何を見る
非常に読み心地のいい作品でした。
流れを止めたくない、と思いました。ひとつひとつの言葉をじっくり胸に沁み込ませながら、お話の流れを追っていきたいと。
一気読みとも違う。静かに心を整えて、きちんと向き合いたいなと思えるような文章でした。
川沿いを舞台に、さまざまな人の人生が緩やかに寄り添ったり離れたりするオムニバスです。
三年間付き合っている彼女が既婚者だと知った人。
宗教二世の人。
平凡な日常の中で運命の相手に出会った人。
離婚後、道に迷ったままの人。
そして老人介護施設の魔女たちと、介護士の青年。
おそらく、他人から見ても分からないくらいの動揺や苦しさや浮き沈み、世間とのズレや生きづらさ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!君と出会ったこの街には、今すれ違う見知らぬあなたも暮らしている
二章「護岸」2−2までを読んだ感想です。いつもは完結後にレビューするのですが、この作品は今すぐ書きたい欲に駆られてしまいました。
しっとりと、じんわりと、ひと言も見落としたくないほど、身体に染み込むような文章に惹き込まれています。
まだ連載中なので内容に触れることはあまりできませんが、まずは一章「サニーサイド」は同棲中のカップルのお話。ふと彼女が放った衝撃の事実は平穏な日常を崩壊させていってしまうのか。それは読んでのお楽しみですが、ハラハラする展開も心地よく読めてしまうんです。不思議なほどに。
二章「護岸」はがらりと変わり、ネグレクトを受ける少女の物語。こちらは序盤ですが連作短編とのことで、…続きを読む