読み終わったあと「何これすげぇ」と声に出てましたし、その一瞬の感情をすぐに人に伝えたくなって即Xを開いてしまった。率直に、こういうのが読まれる作品の強さなんだろうなって思う。また恐ろしいことに、この行動原理がまいるこさんの軸になっている。恐らくそれをわかったうえで、この物語を設計し構築している。そこが一番のホラーかもしれない。完全に珠邑ミトという作家の手の上で踊らされていて、恐ろしい。でもその恐ろしさが全然嫌じゃない。というかこの作品は面白すぎて、仕方ないと思う。
怪異としての広がり方には、人間がどうやっても手放せない欲がある。でもその欲は、どこかうすら悲しい。まいるこさんは、その欲の奥にある悲しみに寄り添っている。その悲しい欲求がある限り、まいるこさんはなくならない。怪異として存在しているけど、これは人の業の話です。
読み終わったあと「このホラー怖かった〜!」もあるし「人間ってなんて悲しい生き物」としみじみさせる情感もあるし「うぉおおお!まさかこんな展開ある!?」というエンタメ的な興奮もある。情緒が半端なく上下動した結果の「何これすげぇ」であり、人に伝えたくなる。このすごさを是非体感してみて欲しい…。
ああもう、びっくりしたびっくりしたびっくりしたああぁぁぁ!!!
この作品を読み終えて、まず出てきてしまったのはこのひと言です。何を言ってもネタバレになってしまいそうで、レビューなんて下手に書かないほうがいいのではないだろうか?そうも考えました。
いやでもやっぱり、一人でも多くの人にこの作品を読んでもらいたい!
そんな気持ちで書いてみます。
吹雪の別荘地にて。裕福な家庭の奥様、珠邑ミトさんがお手伝いの志村さんから怪談を聞かされるお話です。はい、ホラーです。
志村さんが語るのは〈まいるこさん〉という怪異が取り憑いた家庭の中で起こる、一家全滅、一家離散するまでの悲惨なエピソードの数々。
志村さんがこれらの話をそれは情感たっぷりに語ってくれるのです。
それはそれはもう本当に不気味に……
はい!ここまでー!!
え、これじゃ何もわかんないよって?
はい、わかんないまま読んでください。そしてこのレビュー冒頭の私の気持ち、ぜひ堪能してくださいね。ふふ。