概要
男と女と老人。宇宙の片隅でひっそりと蓋が閉じられた人間模様。
銀河上流に浮かぶ小さな惑星の観測基地《銀河の最果て》で、穏やかに過ごす老博士レムと助手シイナ。
二人の元に、年に一度の星祭りの晩、地球から銀河特急鉄道がやってくる。望まれない来訪者を乗せて。
宇宙の片隅で繰り広げられ、ひっそりと蓋が閉じられた人間模様。
二人の元に、年に一度の星祭りの晩、地球から銀河特急鉄道がやってくる。望まれない来訪者を乗せて。
宇宙の片隅で繰り広げられ、ひっそりと蓋が閉じられた人間模様。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!留まる事と流れゆく事。傷ついた魂にはどちらが優しい事なのか
銀河の最果ての惑星観測基地に暮らす1人の老紳士と女性。外部との交流はと言えば、年に1度きり立ち寄る銀河鉄道と、投函しても届くかどうかわからない「宇宙の缶詰」のみ。
楽園のような、流刑地のような惑星で穏やかに暮らす2人の元に、女生との因縁浅からぬ一人の青年が訪ねてきて――。
静謐な温度の文章と世界の描写を読んで、まず思い浮かべたのは、「銀河鉄道の夜」でした。真っ白な鵲は、地に降りる瞬間に足を掴まれると、諦めて動かなくなり、とても美味しいお菓子になってしまうのです。
「銀河鉄道の夜」の2人の主人公は、列車に乗って、美しい銀河の様々な地をどんどんと流されてゆきます。それは、自らの意志ではどうし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!水晶のように高い透明度。不思議な静寂に包まれた、美しいSF。
宇宙の美しさ。銀河の最果ての静寂。人間の心の複雑さ。
——それらを、高い表現力と繊細な筆致で描き出す、大変美しい作品です。
物語全体を包む静けさは変わらぬまま、幻想的な情景が次々と目の前に立ち上がり、まるで大きなスクリーンで映画を見ているように音を持ち、動き出します。作者の高い表現力は圧倒的です。
そして、次第に深く絡み始める、登場人物たちの心情。穏やかさを湛えつつも次第に激しく盛り上がり、そのクライマックスは息を飲まずにはいられません。
深く余韻を残すラストまでが、透明感を失わず、美しい。
水晶のように高い透明度を持つ、不思議な魅力に溢れたSFの世界。ぜひご堪能ください。