地下の静けさの中で、人と犬と赤ん坊がひとつの火を囲む。そんな光景がとてもあたたかく、静かな余韻が残る作品でした。落下して目覚めたサイキと、彼を迎える犬たち、とくにタロのぶっきらぼうな優しさや、リュウジの歌声に救われる場面がとても印象的です。あと、スタンド・バイ・ミーを歌うシーンの静けさが美しかったです。ラストで「戻る」と決意する場面も、復讐ではなく「確かめたい」という感じで好きでした。登場人物(と犬たち)それぞれのやさしさが感じられる温かい物語でした。
短い文字数の中で、見事に世界観が作り込まれています。その中での、サイキとタカシのお話。軽快なやり取りから一気に終焉へ。こちらの流れも、実にお見事です。
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