概要
薬は効く。だからこそ、その一点は人を壊す。
嘉暦二年、博多津。元の慶元から来た唐船が、水に濡れた二つの医書を運んできた。
『傷寒論』と『金匱要略』の断簡。
医書の読み手・真名が返り点を改め、その読みで薬を与えると、重い熱に苦しんでいた病人は立ち上がる。
だが、同じ訓点を施した写しが広まるにつれ、人々の病は記された順序をたどり、服薬の記録や家族の記憶まで書き換わり始める。
誰にでも届く治療か、目の前の一人を診る医術か。
救われた者の陰で、定められた型から外れた身体は「壊病」と呼ばれた。
中世博多の交易と古典医学を舞台に、正しい読みが人間の身体と過去を侵していく歴史医療怪異譚。
『傷寒論』と『金匱要略』の断簡。
医書の読み手・真名が返り点を改め、その読みで薬を与えると、重い熱に苦しんでいた病人は立ち上がる。
だが、同じ訓点を施した写しが広まるにつれ、人々の病は記された順序をたどり、服薬の記録や家族の記憶まで書き換わり始める。
誰にでも届く治療か、目の前の一人を診る医術か。
救われた者の陰で、定められた型から外れた身体は「壊病」と呼ばれた。
中世博多の交易と古典医学を舞台に、正しい読みが人間の身体と過去を侵していく歴史医療怪異譚。
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