第31話まで拝読しました。
ランニングウォッチと魔法。この組み合わせに惹かれて読み始めましたが、走るペースや心拍数、補給、疲労までが救出任務に関わってくるところが面白い作品です。
誰かのもとへ駆けつけ、助けた人を連れて帰る。そのために、主人公のミキチが積み重ねてきた走力が生きてくる。魔法で傷を治せても疲労は残るという設定もあって、任務の途中で水分やエネルギーを補給する場面にも自然と目が向きました。
通信でミキチを支えるレイラニとのやり取りも魅力です。危険の迫る現場で声が届く心強さと、任務を離れたときの親しさ。その両方が描かれることで、戦いの合間の時間も楽しみになります。
幼い日の約束と、失われた記憶をめぐる謎。そこから仲間が増え、それぞれの力を合わせる作戦へと物語が広がっていくのも読みどころです。
少しずつ読み進めやすいのもうれしいところ。ミキチたちが次に誰のもとへ走るのか、続きを追いたくなりました。
子供の頃の“想像上の友人”と交わした約束――ボストンマラソンのトップランナーになること。
その夢を忘れかけていた中丸ミキチの前に届いたのは、送り主不明のランニングウォッチ。
それをきっかけに再び走り始めた彼が、トラック事故から救われる形で魔法の力を得て異世界へ転送される導入がテンポよく、物語の疾走感を一気に高めている。
異世界で彼を待っていたのは、魔物や異変と戦う“魔法のランナー旅団”。
ランニング×異世界×SFという異色の組み合わせが見事に噛み合い、走ることそのものが戦闘手段であり、謎を解く鍵にもなるという構造がユニーク。
ランニングウォッチの機能が物語の謎解きに直結する点も面白く、スポーツとSFギミックが自然に融合している。
ミキチが子供の頃の約束を胸に、異世界の事件と自分自身の過去を同時に走り抜けていく姿は爽やかで、アクションのテンポも軽快。
作者自身のランニング体験が反映されているため、走る描写のリアリティが高く、読者も思わず息が上がるような臨場感がある。
異世界で走り、戦い、謎を解く――
ランニングの楽しさとSFのワクワクが同時に味わえる、疾走系アクション・ミステリー。