概要
じっちゃんが遺したのは、魚ではなく『心』を釣る竿だった――。
じっちゃんが遺したのは、魚じゃなく“心”を釣る竿だった――。
青年・千吉(せんきち)には、どうしても消せない着信履歴がある。亡くなる前夜、じっちゃんからかかってきた最後の電話。あとでかけ直せばいい。そう思って出なかった一度きりの電話だ。
だから千吉は、夜の水辺から聞こえる声を無視できない。
形見の和竿「妖竿正宗(ようかんまさむね)」を手に、古い溜め池へ向かった千吉。餌のない針に掛かったのは魚ではなく、名前さえ忘れて水底で泣いていた、小さな九尾の幼獣だった。
偉そうで怖がりな小狐をキュウと名づけた夜から、千吉の奇妙な釣行が始まる。
遊び相手を待つ河童。帰らない飼い主を待つ猫又。助けを呼び続ける濡女。水辺には、人に忘れられた怪異の未練が沈んでいる。
だが、声を聞けば救え
青年・千吉(せんきち)には、どうしても消せない着信履歴がある。亡くなる前夜、じっちゃんからかかってきた最後の電話。あとでかけ直せばいい。そう思って出なかった一度きりの電話だ。
だから千吉は、夜の水辺から聞こえる声を無視できない。
形見の和竿「妖竿正宗(ようかんまさむね)」を手に、古い溜め池へ向かった千吉。餌のない針に掛かったのは魚ではなく、名前さえ忘れて水底で泣いていた、小さな九尾の幼獣だった。
偉そうで怖がりな小狐をキュウと名づけた夜から、千吉の奇妙な釣行が始まる。
遊び相手を待つ河童。帰らない飼い主を待つ猫又。助けを呼び続ける濡女。水辺には、人に忘れられた怪異の未練が沈んでいる。
だが、声を聞けば救え
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