このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(212文字)
指先ひとつで、人の存在も記憶も消えてしまう世界。世界公認の“消す掃除屋”として生きる仁は、夜は人を消し、昼は忘れたい記憶を預かるという、どこか矛盾した日々を送っています。人を消すたびに残るもの。消したはずなのに消えないもの。便利で残酷な世界の仕組みの中で、仁自身の過去や葛藤が少しずつ見えてくるのが印象的です。独特の世界観と静かな緊張感の中で、「消すこと」と「残すこと」の意味を考えさせられるSF作品です。