このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(273文字)
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年若い主人公は付き合っていた男性と将来を誓い合って同棲し、妊娠するが、流産する。それが遠因となって男性は出ていき、主人公はひとり、殺伐とした部屋で空虚な自分に最低限のメンテナンスをほどこすように、生きる。がらんとした部屋も、魚のいない水槽も、からっぽになった自分なのだ。赤子を宿しこの世に送り出すための。主人公が「私」でなくなったのは子供を失った時なのだろうか、それとも――
同棲していた男と別れた。理由は、初めての子供を流産してしまった、その諸々の辺縁による。取り返しの付かない事への荷重と、重しの取れた身軽さ。そのどっち付かずの軸足は 容易く 引かれる のだろうか。罪悪感などは存在しない。不可抗力であったその理解はあるのに、それでも尚 苛まれる。苛まれ続ける。何もない筈の押入れから音がする。 もう、何もかも喪ってしまいたい。押入れにひっそりと終う。いつからか、ガランとした部屋の押入れは 常に ナニカ で溢れている。
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二ノ前先生の作品に、ハズレは無いと、いつもいつも言っていますが。この作品も、凄いとしか表現のしようが無い作品です。最早、単なるホラー小節を越えての、完全なる文学作品です。この作品を、ただ、「カクヨム」のホラー部門に押し込めて置くようでは、「カクヨム」運営の後ろに、KADOKAWAがいるとは、とても思えません。「カクヨム」運営よ。刮目して、見よ!
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