物理的には何も起きていない。けれど心の変化はドラマティック。そして、それを安易に言葉にしない。感情を説明せず、瞼の裏に浮かぶ思い出と感傷の景色によって心情を読ませてくれます。主人公の心の中を読み手側の想像力が泳ぐための余白がある、詩的で心地よい作品でした。名を得て定義される前の感情。まだ地面に落ちてこない雪のような、その淡さと透明感。繊細さと純粋さ。そうした雰囲気に浸るのが好きな方におすすめしたいです。素敵な読書体験をありがとうございました。
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