概要
銀行員の娘とキャバレーの息子。同じ夢を追う昭和の高校生の切ない恋物語。
1974年、オイルショックの時代。
(もうすぐ三者面談だけど、わたしの進路はもう決められてる。でも別の道を選ぶ理由もない。このまま両親の望む相手と結婚して、子どもを産んで生きるんだろうな。あーあ、ノゾミさんの歌じゃないけど「わたしのリズムで」生きられたらいいのに)
都立隅田西高校三年生の坂 真優美(さか まゆみ)は、ノートに詩を書くのが趣味のおとなしい少女。ファンであるシンガーソングライター、ノゾミ・トクエの新曲「疾風勁草(しっぷうけいそう)」を買いにレコード店に行った真優美は、同級生の少年、横澤 一希(よこざわ かずき)から最後の一枚を譲ってもらう。その時、店の外で爆発音が響き、驚いた真優美は詩のノートを落としてしまった。ノートを拾った一希は真優美の詩を気に入り、曲を付けて歌いたいと頼
(もうすぐ三者面談だけど、わたしの進路はもう決められてる。でも別の道を選ぶ理由もない。このまま両親の望む相手と結婚して、子どもを産んで生きるんだろうな。あーあ、ノゾミさんの歌じゃないけど「わたしのリズムで」生きられたらいいのに)
都立隅田西高校三年生の坂 真優美(さか まゆみ)は、ノートに詩を書くのが趣味のおとなしい少女。ファンであるシンガーソングライター、ノゾミ・トクエの新曲「疾風勁草(しっぷうけいそう)」を買いにレコード店に行った真優美は、同級生の少年、横澤 一希(よこざわ かずき)から最後の一枚を譲ってもらう。その時、店の外で爆発音が響き、驚いた真優美は詩のノートを落としてしまった。ノートを拾った一希は真優美の詩を気に入り、曲を付けて歌いたいと頼
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!歌は、決められた人生に抗う小さな声。
昭和四十九年、オイルショックの余波が残る東京。都立高校に通う坂真優美さんは、家族にも友達にも見せへんまま、ノートへ詩を書きためてる少女や。将来は親の決めた道へ進み、その先も周囲の望む通りに生きるんやろうと、どこか諦めてる。
そんな真優美さんのノートを偶然拾うんが、同級生の横澤一希くん。喧嘩っ早い問題児に見える彼には、ギターと音楽への真剣な思いがある。一希くんが真優美さんの詩へ旋律を重ねたところから、二人だけの歌作りが始まっていくんよ。
レコード、ラジオ、カセットテープ、校内放送、キャバレー。昭和の音楽文化が、飾りやなく人物の暮らしそのものとして息づいてる。甘い恋のきらめきのすぐそばに、家…続きを読む - ★★★ Excellent!!!強い歌。強い心。激動のさなか。
『疾風勁草 疾風に勁草を知るの略で、強い風に吹かれて初めて強い草であることが分かること』(本文より引用)
一目見て、好きな言葉だなと思いました。
私よりおそらくははるかに先にこの言葉を手にし、あまつさえ物語として昇華されている作者様が、ちょっと羨ましくなるくらいに。
一枚のレコードと、一人の少女、そして少年の夢。
懐古の香り。ノスタルジックで素敵なのですが、将来を間近に控えたターニングポイントを前に揺れる少女と少年という、いつの時代にも通ずるテーマが軸となり、物語は進んでいきます。
本作で展開されるのは、時代に生きる人々、そして同時に、時代に翻弄された、あるいは、殉じた思いが併せて描…続きを読む