概要
四歳のまま、世界を止めた。
幼い頃、日帰り手術の最中に“動くな”という禁忌を破った少年・黒沼武昭。
その瞬間に噴き出した鮮血と、若い医師との短い対話は、彼の人生に消えない“刻印”を残した。
鼻の奥の太い動脈を傷つけた後遺症は、十二歳まで続く呪いとなり、
血の味と鉄の匂いは、彼の世界の基調音となる。
四十代になった今、武昭は外の世界を拒み、
老いた母親を従わせ、閉ざされた家の中で“永遠の四歳”として生き続けている。
その瞬間に噴き出した鮮血と、若い医師との短い対話は、彼の人生に消えない“刻印”を残した。
鼻の奥の太い動脈を傷つけた後遺症は、十二歳まで続く呪いとなり、
血の味と鉄の匂いは、彼の世界の基調音となる。
四十代になった今、武昭は外の世界を拒み、
老いた母親を従わせ、閉ざされた家の中で“永遠の四歳”として生き続けている。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!語っている彼の顔を思い浮かべてほしい。きっとおぞましいだろうから。
本作は人の心の有り様を語るホラー小説である。
ただ心を見せるだけの物語だ。
およそ、怪異も狂気も惨殺も描かれない。
だが、この悍ましさは無類なのだ。
主人公である黒沼武昭は、四歳の頃に受けた鼻の手術中に動くことを禁止されていた。
それにもかかわらず、医師を困らせるためだけに、彼は動いた。
結果として彼の鼻の血管は傷つき、大量に出血する。
だが武昭は、痛みと損傷を意にも介さない。
ただ目的を果たして満足するだけだ。
彼の異様な精神が、ここに表わされている。
タイトルにある〝刻印〟
それは武昭の鼻の傷。
それは武昭の幼少期の歪んだ誉。
それは自分を肯定し続けた呪いの印。
それは彼の勝利の…続きを読む