概要
note にて『小説の構造設計──直感を技術に変える18のパラメータ』という創作技術論を連載しています。偉そうに講釈を垂れているが、こいつはそもそも書けるのか?──という当然の疑問に対する回答として、この短編を書きました。
判定は読者のみなさんに委ねます。
連載の記事「実践 執筆編(ポイエーシスの試み)」では、純文学とは何かを定義した上で「異世界テンプレ」を純文学で書くという試みを行いました。こちらがその本編の原稿となります。
おすすめレビュー
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- ★★ Very Good!!「受付嬢」の美しさ、「冒険者」制度の冷酷さ。光と闇のコントラストが光る
冒険者ギルドの受付嬢が、業務記録という体裁で淡々と語る短編です。作者はnoteで創作技術論を連載しており、本作はその実践編として書かれています。
一番の武器は、視覚描写の精度と、感情を書かずに感情を喚起する語りの技術です。ステンドグラス、識別標の輝き、指の輪郭。1話で丁寧に描かれる美しい情景と接客は、すべて「洗礼」のための意匠だったと、後半で反転します。虚偽を伝えず、強制もせず、選択を口にしない――職員規程を一つも破らないまま、子供たちを死地に送り出す構造は、静かな恐怖として機能していました。統計的な距離の取り方も一貫していて、3話の凄惨な場面ですら「損傷に比して痛みが少ないのはよくない傾…続きを読む - ★★★ Excellent!!!整然なる表裏
読了したので書きます。
本作はあらすじに書いてありますが、小説の構造設計:直感を技術に変える18のパラメータの実験作という側面があります。それもあって短い文章ながらも長編作品を読んでいるような力強さがありました。
取り上げているのは、異世界ファンタジーと受付嬢。どちらかといえば珍しくない、普遍的な要素で構築されています。
しかし、ここで威力を発揮するのは構造ですね。前半と後半の温度差、光と闇……。
それが受付嬢の仕事。1人の人物からまるで違う景色が見えるのは、構成が本当に上手いと思います。更に文章も非常もレベルが高い。言葉選びも秀逸なのでそちらも要注目です。
より力強く、より深く、よ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少ない文字数の奥に凝縮された世界の奥行きを感じてほしい。
――寸鉄人を殺す。
この作品は、わずか1万5千文字で、10万字20万字の長編に比するほどの奥行きがあり、感情を揺さぶり、そして人の記憶に残る。
派手な鳴り物も、目を驚かせるカラクリも使わず、静かに――刺しに来る。
主人公である受付嬢を通して描くのは、駆け出しの冒険者と、ベテランと、ギルトの内幕。
それぞれに違うレイヤーで世界を捉え、それを一つの線でつなぐのか、主人公だ。
冒険者ギルドの受付嬢ものという、一見したところプリンのようなシチュエーション。「消費」されることが前提のWeb小説の世界で「そうやすやすとは消費されないぞ」という弾力を見せてくる本作。
普段、柔らかいものばかり食べてい…続きを読む