「俺は、もう誰とも関わらない」
そう決めていた少年の凍った心を溶かしたのは、無意識に自分の服の裾を掴んだ少女の、震える指先でした。
主人公リセルとエリシアの二人がお互いを思いやり、少しずつ歩幅を合わせていく姿はとても尊く、不器用な優しさに読んでいて温かい気持ちになります。
特筆すべきは、その「質感」の描写です。
私は物語全体を包み込む「ブルーフィルターがかかったような質感」の美しさに、深く感じ入りました。
肩に食い込む荷の重さ、泥水の冷たさ、そして焚き火が爆ぜる音。
厳しい自然の中で生きる人々の息遣いが丁寧に描かれているからこそ、二人が分け合うわずかな火の温もりが、読者の心にもじわりと染み込んできます。
二人の関係がどう深まっていくのか、今後の展開がとても楽しみです。
静かな感動を届けてくれる、素敵な作品をありがとうございます。
未読の方は、まずは序盤の数話だけでも、その空気感に触れてみてください。
白金の髪の少女を追う黒い鎧。
少女と逃げることになった少年。雪に散る赤い血。何かの影。
――美しさと残酷さが同居する、逃避行から始まるファンタジー。
無事に逃げられるのか。
そして、この少年は何を背負っているのか。
物語を追ううちに見えてくるのは、孤独になりきれない危うさを抱えた少年の心のうち。
追われる少女の秘密、そして彼自身の出自の謎という二つの軸が、先を読みたいと思う気持ちをぐっと強くします。
途中、捕らえられる展開もあり、緊張感が途切れません。
文字による映像的な美しさに加え、肌を刺すような不穏な空気、ある力を行使する時の温度や光、登場人物たちの歩んできた過酷な道のり。
様々なものが伝わってきます。
特にターニングポイントとなる第三章で、物語のスケールが一気に広がります!
履歴書が一人一人書けそうな存在感がある郷の人達、大好きです。
二人がどのような絆で結ばれ運命に向かい、何を誓うのか。
これからの展開がとても楽しみです。
(第四章途中までの読了で書いてます)
「もう誰とも関わらない」と孤独を選んだ少年リセルと、
冷酷な聖堂からに囚われていた少女エリシア。
なんとか檻を脱した彼女を待っていたのは、
全てを白く塗りつぶす、凍てつくような雪景色でした。
……そして、ついに力尽き倒れてしまった彼女。
リセルが自らの掟を破り、その細い腕を掴んだ瞬間。
二人の運命が、交わり始める。
背後に迫るのは、法を超えて人を裁く「黒聖」。そして、王の剣ヴァルデン。
運命に追い詰められ、共に崖下へと消える二人。
――そんな緊張感溢れる2章まで、一気に読み進めました。
この物語の魅力はストーリーだけではなく、
その圧倒的な情景に、リセルの繊細で濃厚な心理描写が
重なっていく部分にあると思います。
孤独の深さを知っているからこその、エリシアの言葉も温かく、
リセルの不器用な誠実さも心に刺さります。
この二人、私はとても好きです🐱。
冷たい雪景色の中で、二人の心臓の音が聞こえてくるような、
鮮烈な没入感を味わえるファンタジー作品です。
この物語は、リセルとエリシアの二人が追われる身となるところから、大きく動き始めます。
作者が場面描写や心理描写にかなり力を入れていることが伝わってくる作風で、雪原から始まるプロローグひとつをとっても、主人公が感じている寒さや孤独が自然と伝わってきます。まるで自分がその場にいるような感覚で読むことができました。
物語の展開もわかりやすく、なぜ主人公たちが追われる立場になったのかが丁寧に描かれているので、読みながら「もし自分がその場にいたらどうするだろう」と考えてしまいます。気がつけば、二人を応援する気持ちで読み進めていました。
これからも定期的に更新されるとのことなので、今後の展開を楽しみに追いかけていきたい作品です。