概要
嵐が流したのは、証拠か、それとも人の倫理か。
嵐の夜、一本の通報が入る。
「上流で何かが流されている。黒いものだ。臭いがひどい」
しかし、激しい風雨の中、現地へ向かうことはできなかった。
やがて「すべて流れていった」との連絡。
翌朝、静まり返った川は何事もなかったかのように見えた。
だが、岸辺には確かに“痕跡”が残されていた。
調査の末に対峙した男は、悪びれることなくこう言い放つ。
「嵐だったんだ。水が全部持っていく」
自然の混乱に紛れれば、行為は消えるのか。
証拠が流れたとき、罪はどこへ行くのか。
嵐の夜に露わになる、人間の静かな濁りを描く。
「上流で何かが流されている。黒いものだ。臭いがひどい」
しかし、激しい風雨の中、現地へ向かうことはできなかった。
やがて「すべて流れていった」との連絡。
翌朝、静まり返った川は何事もなかったかのように見えた。
だが、岸辺には確かに“痕跡”が残されていた。
調査の末に対峙した男は、悪びれることなくこう言い放つ。
「嵐だったんだ。水が全部持っていく」
自然の混乱に紛れれば、行為は消えるのか。
証拠が流れたとき、罪はどこへ行くのか。
嵐の夜に露わになる、人間の静かな濁りを描く。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人の醜いエゴ。あなたはこれを読んで、どう感じますか?
あの夜、嵐のドサクサに紛れて流された、「黒くて臭うもの」。
あれはいったい何だったのか。
人間の身勝手で残酷なエゴの塊が頭をよぎり、胸がキリキリと痛みました。
読者に冒頭から身を乗り出させ、「流されたもの」の正体が気になるあまり一気にストーリーへとのめり込ませる文の構成にとても魅力を感じました。
実体験をもとに書こうとすると、どうしても説明っぽくなりがちですが、本作では全くそれを感じさせない、静けさや不気味さの漂うフィクションになっていました。それにもかかわらず、リアルな人間の醜い部分を読者に考えさせる表現力、そして余韻の残る見事な筆致に脱帽しました。