源頼光四天王の筆頭、渡辺綱。土蜘蛛討伐、大蜘蛛退治と数々の武勲を立てる彼の前に現れたのは、謎めいた陰陽師と「八尾の黒狐」を名乗る少女ヤツデだった。
「鬼の再封印」という命を受け、ツナは初めて"本物の鬼"と対峙する。神に匹敵する力を持ちながら退治できない存在。封印するしかない理不尽な敵。そして星の石で造られた7振りの剣を巡る、日本全土を駆ける旅が始まる――
「ババア」と呟けば記憶を失い、気がつけば顔が腫れている。
ヤツデに振り回されながらも、ツナは武人として、封印者として成長していく。コミカルな掛け合いの裏に、古代日本の闇と神秘が渦巻く。朱雀門での死闘、伏見での妖狐との出会い――歴史とファンタジーが交錯する展開から目が離せません。
平安の都で繰り広げられる、鬼と人の因縁譚。続きはどこへ向かうのか?
『ツ ナ』は、渡辺綱の土蜘蛛討伐から始まり、陰陽師と妖狐が加わった瞬間に、怪異譚の射程が一気に広がる作品だ。平安の空気を残しつつ、ところどころに現代的なたとえや語り口が差し込まれるため、古典の敷居を下げながら、物語の勢いを保っている。綱が「ナベさん」と呼ばれてしまう軽妙さと、洞窟や朱雀門で突きつけられる不気味さが同居しており、読者の気持ちを緩めたところに、次の異常が入ってくる構成が効いている。
印象に残ったのは朱雀門の再封印戦だ。封印の作業そのものより、漏れ出す気を喰い合いながら集まってくる鬼の群れを、ツナが半弓と太刀で崩していく場面に、作品の強みが集約されている。剛弓の一矢が眉間を貫いていく描写は痛快で、同時に「退治できない存在を、弱めて封じる」という理屈が、戦いの手触りとして伝わってくる。そこへヤツデの距離感の近さと小馬鹿にする口ぶりが乗り、恐怖と可笑しみが同じ場面で成立する。読者は笑いながら緊張し、緊張しながら次話へ送られる。
連載を追うほど、ツナが背負わされる役目は大きくなり、星の剣の回収や神域の気配が、世界を「大きい話」にしていく。ただし中心にあるのは、無口な英雄ではなく、疑問を口にして殴られて記憶を飛ばすツナの生身であり、その軸がぶれないから、神々や眷族が出てきても読みやすい。更新のたびに、次はどんな理不尽と美しさが出てくるのか、楽しみにしている。
『ツ ナ』は、「和風伝奇のぜんぶ盛り」を真正面からぶん回してくる、熱量の高い長編アクションファンタジーです🔥🌓
古代に封じられた鬼の伝承が、現代の物語として再び動き出し、そこに主人公ツナと、見た目は少女・中身はババアな妖狐、そして陰陽師たちが絡んでいく🦊💥
伝説・神話・妖怪・鬼退治と聞くと「よくある和風ファンタジーかな?」と思いきや、描写は思った以上にハードで、生々しい手触りの戦いが続きます⚔️⚡️
また、日本の伝説・土地・信仰のディテールを、ちゃんと「物語の燃料」として活かしているところも好印象でした🏯🌙
綺麗ごとでは済まない残酷さと、それでも繋がっていく“ツナ(絆/綱)”の物語が、和風バトルファンタジー好きの心をしっかり掴んでくる一作です🐉🩸