この作品は、平穏な村で暮らしていた青年が、自分に流れる特別な血と過去から受け継がれた使命を知り、大きな世界へ踏み出していく王道ファンタジーだと思います。
主人公のフィリウスは高い星魔術の才能を持ちながらも、それを誇ることなく、子供達を教え、病気の母を支え、村人からの頼み事にも応える優しい青年です。それだけに、それまでの日常を一気に失い、自分が神子の血を引く者だと知らされる展開には大きな衝撃がありました。
特に印象的なのが、この世界の星魔術を「マナを繋ぐ力」として描いているところです。フィリウス自身も異なる属性を繋ぐことに優れていますが、旅の中で出会った人間や星人とも自然に関係を築いていきます。
また、自分を守るために戦ってくれた相手を今度は自分が助けようと、危険を承知で力を使う姿にも、彼の人柄がよく表れていると感じました。
単なる特別な血筋を持つ主人公の英雄譚ではなく、過去から受け継いだものと新たな出会いを繋ぎながら、自分自身の進む道を探していくところに、この作品ならではの魅力があると思います。
序盤までの紹介となりますが、フィリウスが神子という運命とどう向き合い、乱世の中でどのような道を選んでいくのか、これからも追いかけて行きたいと思います。