かつて人類と「星人」は共存を目指すも、大戦争により世界は滅亡寸前まで荒廃。
生き残った人類と星人たちが外界との接触を絶って暮らしているーー
そのような物語世界に強く惹かれました。
村で教師を務める星魔術士の主人公フィリウスは、病気の母を支えながら穏やかな日々を送っていたものの、平和だった世界は一瞬で崩壊し、フィリウスの運命が大きく動き始めます。
序盤の日常描写がとても丁寧で、村人の関係や生活文化がクリアに伝わってきました。
それだけに村が滅ぶ時の衝撃も大きかったのですが、星魔術や結界、星獣などの世界観がしっかり作られているのが印象的でした。
母親思いのフィリウスは魅力的で、自然と感情移入できました。
敵のようにも見えていた星獣が甘えてご飯を食べる場面には驚き、星獣使いのリックや四面の星人が登場することで、物語はさらなる広がりを見せます。
フィリウスとリックの人物造形の対比も興味深く、ユーモラスな対話の表現にクスッとしたりと、読みどころがたくさんあります。
壮大な物語において、フィリウスにこの先、どんな運命が待っているのか、引き続き楽しみたいと思います。