概要
ひとひらずつ。花嫁に近づく。――私は、花嫁になっていく。
梅の花が咲く季節。
気弱な女子高生・沙夜は、帰り道で一本の梅の木を見つけた。
綺麗だと思った。
その時は、それだけだった。
その日から、花びらが届くようになった。
毎日ひとひら、現れる白い花びら。
捨てても消えず、やがて身体の内側にまで入り込んでくる。
祖母がよく言っていた。
――キサラギ様は、気に入った娘を嫁にするのだと。
それは、この土地に伝わる“花嫁のしるし”。
白く、美しい梅の花。
それでも少女は、ただ一言、そう呟く。
「……綺麗」
気弱な女子高生・沙夜は、帰り道で一本の梅の木を見つけた。
綺麗だと思った。
その時は、それだけだった。
その日から、花びらが届くようになった。
毎日ひとひら、現れる白い花びら。
捨てても消えず、やがて身体の内側にまで入り込んでくる。
祖母がよく言っていた。
――キサラギ様は、気に入った娘を嫁にするのだと。
それは、この土地に伝わる“花嫁のしるし”。
白く、美しい梅の花。
それでも少女は、ただ一言、そう呟く。
「……綺麗」
この珍妙なウサギにお付き合いくださり、ありがとうございます。