最初は、ちょっと訳ありな過去を持つ主人公と、可愛くて健気な彼女との再会ラブストーリー……そんな印象で読み始めました。
ところが、読み進めるほどに小さな違和感がじわじわと積み重なっていって、気づけば引き返せない領域まで連れていかれます。
特に巧みなのは、「優しさ」や「愛情」といった一見温かい感情が、別の意味を帯びていく過程です。何気ない仕草や会話が後から思い返すと妙に引っかかり、ゾッとする。この感覚がたまりません。
派手な展開というより、静かに、確実に追い詰められていくタイプの恐怖です。
読みやすい文体なのに、気づけば心を掴まれて離されない構成も見事なんです。
ホラーが好きな方はもちろん、「ちょっと怖い話を読んでみたい」という方にもぜひオススメしたい一作です。読み終えたあと、きっと誰かに話したくなります!
『愛』とはなんなのだろうか。共に寄り添い合うことなのだろうか。それとも、互いの体を受け入れ合うことなのだろうか。人によって答えは変わるだろう。だが、微妙な差異なら大した問題ではないはずだ。
……だが、もし相手の持っている『愛』が我々が持っている平均的な愛と違ったのならば? 我々人間が理解できるものではない、異種族の『アイ』ならば、それは愛と言えるのだろうか。まるで、共食いを行うカマキリの夫婦のような関係ならば、このレビューを読んでいる君は愛する恋人を受け入れられるだろうか。
彼女と共に、彼女の故郷へと挨拶へ向かう主人公。その先で、彼が見たのは何処までも悍ましく、グロく、そしてある意味では哀しい『アイ』の形であった。
平凡なサラリーマンにある日、可愛らしい彼女ができます。
〝彼女〟の存在は彼の昔の未熟さ醜さ後悔をすべて〝帳消し〟にしてくれるかもしれません。
ネタバレになるので詳しくあらすじは書けませんが、モキュメンタリホラー?(違ったらすみません)
とても可愛らしい彼女に見え隠れするなにか。
心理的な懺悔とホラー描写の巧みさでいろんな不安が重なり合って、心臓がどきどきしました。
でも、主人公の抱えてる懺悔や後悔も分かるので、他人事じゃないかもしれませんね。
一万五千字ほどで読みやすいし、入り込みやすいので、ぜひこの手記を読んでみてください。