概要
晩餐会の事件をきっかけに近づいたふたりの感情は、互いへの理解と敬意から始まった。
言葉を交わすたび、静かに積み重なる恋。
そしてアルバートはグレイヴズ家へ婿に入り、彼女とともに家を支えていく未来を選択する。
だがその約束は、凄惨な事故によって断ち切られた。
軍組織の杜撰な管理体制の犠牲となった部下は、死後もなお現場指揮の責を問われた。
剥奪された彼の名誉を取り戻すため、アルバートは組織の歪んだ構図と戦う決意をする。
たが同時にそれは、エレノアとの未来を犠牲にする選択でもあった。
愛している。
それでも、待ってくれとは言えない。
待ち続ける理由を、もう書けない。
これは、互いを深く理解し最後
これからも頑張りますので、よろしくお願いします!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!辛く美しい悲恋。二人のそうでしかあれなかった物語。
ある軍人と令嬢の悲恋の物語となります。
二人とも責任ある立場として凛とした振る舞いとその背景が、丁寧に描かれます。
その経過は激しさや浮ついた空気はなく落ち着きを留めたままそれでも、お互いが惹かれ合うのも必然と言ったように、読者も二人の関係に惹かれていきます。
お互いの立場や考えなど理解しているようで、だからこそ踏み込めない事情により、ある事件によって二人の関係が崩れていく様はとても切ないです。
何が悪いとも断罪しがたく、彼ならばそう、彼女ならばそうと納得するしかないだけに、行き着く結果が胸を打ちます。
美しい情景描写や硬派な展開なども含めて人間の、あり方を追う物語です。
物語の終わりの後…続きを読む - ★★★ Excellent!!!情緒ある描写がまさに月の欠けていく様
仕事への真摯さ。
言葉が少なくても、芯の通じる知性と配慮。
自らに課せられた職務を放り出せない責任感。
そして、愛する人への誠実さ。
そのすべてを、まったく同じように備えた二人だからこそ、深く互いに惹かれ、選ばれたのは、「愛するがゆえに別れる」という結末。
この構造が、どうしようもなく切ないです。
けれど、苦い思いを伴いながらも、それでも彼らの純愛を「美しい」と思える読後感が残ります。
この余韻を支えているのが、描写の繊細さと説得力。
第四話、雨の中の沈黙。
それが重苦しくはない、静かで、心地よい間として描かれ、『遣らずの雨』を思わせるしっとりした情緒に溢れる。
第七話の事故…続きを読む - ★★★ Excellent!!!静かなのに、心を焼く。選び続けた愛の物語
静かな筆致でここまで心を抉られるとは思いませんでした。
派手な展開や大仰な演出に頼らず、ただ人が「何を選ぶのか」を丁寧に積み重ねていく物語です。
愛する人との未来か、守るべき責任か……そのどちらも正しいからこそ、簡単に答えが出ない。その苦しさと誠実さが、読むほどに胸に深く刺さります。
登場人物達は皆、感情に流されるのではなく、自分の立場と覚悟で選び続けます。
だからこそ一つ一つの言葉や沈黙に重みがあり、気づけばページをめくる手が止まらなくなっていました。
そして何より、この作品は「愛しているのに別れる」という選択を真正面から描ききっています。そこに逃げがないのが、本当に凄いんです。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!愛するからこそ手放す未来。青年士官と令嬢が紡ぐ美しくも切ない恋
青年士官のアルバートは、帰郷中に地元の名家を継ぐ聡明な令嬢・エレノアと出会います。
互いの実直な人柄に惹かれ合った二人は、やがて深く心を通わせ婚約に至ります。
しかし、幸せな未来が約束された矢先、アルバートの任地で大事故が発生。
理不尽な隠蔽体質に直面した彼は、亡き部下の名誉を守るために過酷な戦いへと身を投じます。
愛する人との温かい家庭か、自らの信念か。エレノアもまた「家を守る」という重い責任を背負っており、二人は抗えない現実と葛藤することになります。
本作の最大の魅力は、深く愛し合いながらも、それぞれの背負う責任や信念から決して逃げない二人の「圧倒的な誠実さ」です!
ただ甘く結ばれ…続きを読む