夢中になって読み耽ってしまいました。私はあまり集中力がない方なのですが、そんな私がひたすら読み進めたくなるほど、とんでもなく吸引力のある作品でした。
主人公は家族思いな青年・穂鷹くん。貧しい環境の中で己の体に鞭打ち、孤独に獣と戦っていましたが、なんとも魅力的な仲間たちと出会い、物語は大きく動き出します。
ストーリー、キャラ造形、描写力。どの面を見てもずば抜けていて(偉そうにごめんなさい!)、もうただただ感服です。
私もこんなふうに書けたらなぁ、そう思わずにはいられません。
アニメ化した時の映像が目に浮かびます。そしてお米を食べたくなる。
もっと読んでいたい!素晴らしい作品でした。
お米の化物と戦うというストーリーは
さすがに新鮮だろうと思い、
軽い気持ちで読み始めました。
結果、寝転んでスマホで読んでたんですが
人類の進化図みたいにだんだんと姿勢が正しくなって最終的に正座して読みました。
私は普段あまり小説を読みません。
でも漫画は好きで、うしおととら、寄生獣、鬼滅、進撃、東京グールなどややダーク(?)な独特の世界観の中で激しい戦闘が繰り広げられるようなお話が好きです。
異形と死闘を繰り広げているうちに、
死んだと聞かされてた母が生きてた!とか、
そんな脳みそはいらんわなあとか、
流にいちゃん!みたいに話が広がっていくやつですね。
本作に関して、先述した漫画がお好きな方ならきっと「面白い!」と感じる部分が
多いんじゃないかなと思います。
というのも、
なんかこの設定見たことある気がするな、
って感じるシーンがところどころあるんです。
これは他の作品をパクってるとかそういうことではありません。
新しさを追うばかりに荒唐無稽な展開で
読者どころか作者も迷子になってるんじゃないかと感じるような展開ではなく、
かなり綿密に設計されていると感じさせる
世界設定と、個性豊かで魅力的な
登場人物達の掛け合いが、
斬新さの中に良い意味で【既視感】という
心地よさを感じる王道的なリズムを
織り交ぜながら展開していくんです。
さらにその上で、
この作品にしか存在しない新しい世界観を見せてくれています。
奇抜な設定や新鮮な世界観だけでなく、
細やかな描写と表現力もこの作品の魅力を引き立てていると思います。
感情の移ろいなど内的な表現から
緊迫感を感じる戦闘、
香りを感じてしまいそうな食べ物の表現まで様々な部分がほんとうに丁寧に描かれていると感じました。
まだまだお話の中で未回収の部分も多く残っているし、きっとこの後も度肝を抜かれる展開が待っていると思います。
大事なことなので二回言いますが、
きっとこの後も度肝を抜かれる展開が待っていると思います。
素敵な作品ありがとうございました!
私が読みたい小説というのは「先が気になる、謎がある」ミステリーか「キャラクターが立ちまくってるキャラの魅力!箱推し!」の作品なんですがこの稲獣の刈人、どちらの要素もあります。
主人公の父はおそらくちゃんと愛情のある人だろうに息子に無理やり毒のコメを食べさせながら育てています。
なぜ!
主人公の穂鷹はすごくいい子。両親の代わりに兄弟を守りながら暮らしています。
2章に入ると魅力的なキャラがもりもりでてきます。みんな好き。
それぞれ奥行きのあるキャラクターで会話がとても生き生きとしています。
稲の獣もいろんな種類がおり、戦闘スタイルを変えながらのバトル。
疾走感があり、盛り上がります。
わりと重めな話なのですがキャラクターのおかげで笑えるシーンも多く
バランスがいいです。
私は秋月というキャラを特に推しており、秋月のスピンオフこないかな~と思っております。平凡に見えて一番の要と言ってよい、兄でも弟でも父でも上司でも部下でもどこに置いても安心。それが秋月。
さらに犬。でかい犬がたくさんでてきます。この世界だと馬の代わりなのかな?
犬が好きな方におすすめします。
そして食事。食事シーンがとんでもなく美味しそうです。
作者が食いしん坊なのかもしれません。こだわりを感じます。
回収されてないエピソードがいくつか残っているので続編あるんじゃないかと
個人的には思っています。
レビュー読んでから小説読むタイプのあなた。「稲獣の刈人」ぜひ読んでください。
一緒に考察しましょう☆
米を手に入れるために稲の獣を刈る!?農耕ではなく狩猟でコメを手に入れるという特異な発想にまずは驚かされます。
読み進めるにつれて、稲の獣達の特性や、何か影がありそうな国家機関の刈人隊、暗躍する裏切り者など、重厚な世界観に次第に引き込まれていきます。
そして登場人物も皆キャラが立っていて素晴らしい。毒の米である赤米を食べ、禁断の力を手に入れた主人公は純粋無垢な人たらし。ひと癖もふた癖もある刈人隊員達とのやり取りも秀逸です。
もうここまで来るとどっぷりコメ世界に浸かって抜け出せません。最初に抱いた疑問はもはや疑う余地もなく常識化しており、米を手に入れるために稲の獣を刈るのは当然じゃんという気持ちになっている。
銀シャリのような、赤米のような中毒性です。オススメです!
この【稲獣の刈人】から得られる『熱』は、読者の方々の心へ確実に火を灯してくれると、いち読者である私自身が身を持ってお伝えしたい。
和風ファンタジーに必須の要素は揺るぎない骨格である。
世界の成り立ち、仕組み、国、制度、上げればキリがない。一から世界を作るのは途方もない根気と体力と、深い知識の横断だと私は考えている。
軽はずみの妥協は世界を揺るがす。土の上っ面に植えた程度に作れば、容易く引っこ抜かれてしまうだろう。
創作者目線でファンタジージャンルが難しいと言われる所以は、読者を納得させるだけの説得力を築き上げなければならない要素が多すぎるからだ。
だが、この作品は納得させてくれる。それに足る強さと温度を私達に手向けてくれる。
日本の良き所、風情を余す所なく大地に根差し、主人公・穂鷹を始め、狩人隊、村民達の血の通った生き様を壮大な世界観が彩っている。
地に足つけた彼らを通して読み返すたびに、新たな気づきと知見は、ここでしか味わえない体温を伴った体験ができます。
見た目はお米、中身は骨太の和風ダークファンタジーです。
これは、実際に手をとって読んで咀嚼してほしい。登場人物達の背中をぜひ近くで観戦してほしい。
そして、作者様の据え広がる筆致をぜひその目で堪能していただきたい。
以下、ここからは蛇足である。私が、筆者住吉スミヨシ様と、作品である『稲獣の刈人』と出会い、勝手ながらに受け取った『体温』を燃料に、創作への一歩を踏み出した初心者レビュー主の独白である。
作者様の過去の発言を【この括弧中に表記】していき、それを受け取った私の機微を綴っていく。独白であるが故に、素っ裸の表現が随所に見受けられるが、独白なので、努めて白く、告げていく。
エッセイ風の後書き感覚で読んでいただければ幸いである。
そしてこれを読んでくれた方に、『稲獣の刈人』が織り成す物語の魅力と熱を、色濃く受け取れる土台を、築いてあげられればと思う。
◇ ◇ ◇
少々頑固な初心者物書きが、一人の作家さんからいただいたのは、体温──
お天道様も顔を出さぬ早朝三時頃の台所。夜の気配が帰り支度をし始める出勤前の朝食。ふと、箸が止まった。
視線が一点に固まる。手に持った茶碗の中で、ふっくらとした白い粒達が意気揚々と湯気をくゆらせている。
口をもごりと動かしながら、作業的だった食事に実態とは別の、温もりや重さを見出そうとしていた。それと同時に立ち上がる一人の作者さんと、その方が紡いだ物語の数々。
水に浸した炊飯器の釜に、私の笑みが落ちていた。
私は創作を始めた。小説である。社会人の生き方にも味を占め、歩き慣れてきた人生に、また違った刺激が欲しい。いつもは指先から身体を洗っていたが今日はつま先から洗ってみっかくらいの、軽めで些細な動機だった。
作家なんて大それた事は言えないから、物書きと、一つ段差を降りた。思い返せば、この行動原理自体が斜に構えた作家っぽくてカッコいいと、ほろ酔い気分で自身の顎に手を添えていたのだろうとも記憶している。まだ何も書いてないくせにである。フッ。
Xを介して『カクヨム』というweb小説投稿サイトに辿り着いた。数十万もの作品群と、多くの作家さん達が自前の物語を投稿している姿に、足が一歩、後ろにたじろいだ。
二次創作なら多少書いていたが、原作ありきの物語だ。一から創造するのとは一線を画すると考えていた。しかしながら、物書きと銘打ったからには書いてみようと眦を決し、自主企画に参加してみた。
早々にまいった、何も言葉が出てこない。目頭を抑えて唸りながらも自主企画の期限は迫ってくる。藁にも齧り付く貪欲さで参考になる小説を探した。
『稲獣の刈人』──住吉さんの作品と出会った。米......。奇遇だな私もお米は大好きだ。米と名が着いているだけで親近感が湧く。米津玄師だってきっとお米が大好きだ。
作品を読んだ。冒頭から引き摺り込まれた。大好きと豪語していた私の頬が羞恥に炊き上がる。
表現の一つとっても座りが良い。私が言葉に出来なかった風景をこの作品は、克明に書き綴っていた。こう書ければ嬉しいな──漠然と描いていた理想郷が、目の前にありありと顕現していた。
理想を提示され、密やかに胸を突き立てられる。羨望、憧憬、そしてちょっぴりの嫉妬。
期待せずに予約した旅館に、予想以上に手厚くもてなされた錯覚さえ覚えた。気づいた頃には、自作に筆を走らせていた。そして完成したのが『隣のつん狐さん』という物語である。
なんて事はない。主人公の男性と、ツンデレ狐娘が生活を共にし、初々しい告白で結ばれる。五千字程度の短編である。作品の雰囲気や、モチーフの田園、稲穂は、住吉さんの作品から着想を得た。
初めて一次創作を書いた。私の産んだ人物が、辿々しくも動いてくれている。胸の奥がささやかに弾んでいた。
脳裏に過ったパクリ疑惑は、オマージュに塗り直して体裁を保つことにした。一丁前に胸を張ってみたが、リスペクト元とは雲泥のクオリティである。さもありなんとは、私の為に生まれてきてくれた言葉だろう。
ともあれ、慎ましくも確実な一歩だった。きっかけをくださった住吉さんに勝手ながら頭を下げた。
【おや、短編持ってますね。後で読んでおきます】
絶命の危機は突然やってきた。軽率にポストした私の前方を【住吉スミヨシ(後悔)】がひた走る。彼女のレビューが素敵だったのだ。隣に座り優しげに、語りかけてくれるようなれびゅー......。
きっと、レビューを貰った作者さん達は喜んでいることだろう。知的でありつつ、親しみを感じさせる住吉さんの言葉に。それに反射めいた言葉を返した私はこの有様である。
しかし、後悔は高らかに走り去り、私を置き去りにしていく。ちょっと待ってくれ。あなたに読まれるのはワケが違うのだ。
見合ってない言葉が、頭の中を取り巻いた。裏を返せば、止められる術も持ち合わせていない。諦めて静かに反応を待った。家の近くに住み始めたキジバトへ“ホッホウ”と話しかけて気を紛らわせる。呆けていた折に返ってきた言葉は、意外を通り越した祝福に包まれて差し出された。
【心が満たされた。良い朝読でした】
満たされた、良い朝読、こっちの台詞である。初めて書いた物語に一番最初にレビューをくれたのがあなただった。焚き火のパチリと鳴く音が、身体の奥底から響いたようだった。至極当然でありながら、『稲獣の刈人』を通して感じた熱を住吉さんのレビューからもいただいた。
【判定しますので140字で披露してください】
住吉さんが『キャラクターの身体描写は作者の視線が出る。故に作者の欲望が透ける』といった見解をポストしていた。私は『手』は許して欲しいとお願いしたら、即座に試験会場へ強制連行された。
鬼である。私の懇願は実務的な一言で木っ端に砕け散った。突貫工事の執筆だ。朝からあなたは助手席で平常運転だ。優雅におにぎりを嗜んでいる。こっちは寝起きの高速道路を爆走コースである。料金を請求したい衝動に駆られたが、急いで書き切った。
【ええやん】
我ながら単純だと思う。たった一言の承認で報われたと抱いてしまう自分を俯瞰して、乾いた笑いが出た。難を逃れ、なんとか取り繕う私の傍で『ハッハッハ』と、あなたは呑気に笑う。私もつられてちょっとだけ、口元に前向きな弧を描く。
片足だけだった創作への熱が、また少し強まった。創作入門許可証にも似た“四文字”に丸まった背筋が、ちょっぴり伸びた気がした。
【しろっこにーさんは書き手の熱が伝わるので本当に良きです。読んでて書き手の体温を感じれる作品は稀有なのでまた暖を取りにいきます】
体温──生活的な音ながら、どこか新鮮だった。だがそれは、私のつま先から頭の天辺までぶち抜き、軸を打ち立てた。
自分の文章に名前を付けてもらったような感覚だった。
考えすぎかもしれない。SNS上で、言葉を真正面から受け取るのは良策ではないだろう。
だが、頭の中に浮かんできたのは自己防衛的な思考ではなく、あなたが紡いだ人々だった。
強き足並み。積み重ねてきたと腹落ちできる生き様と、地に足ついた熱気が、私の瞳の奥を熱く焦がす。この物語は、嘘と呼ぶには眩しすぎる。
そしてなによりも、この体温を生み出したあなたの『手』に、私は顔を伏せても背きたくない。
これは、私が創作の世界に留まっている何よりの証明であるのだから。
遠くに見える大きな背中に、いつかは追いついて......とは言えない。しかしながら、袖口をつまむ程度には近づきたい。あなたが好きだと言った映画を私も見始めた。拝借した地図とコンパスを頼りに、私なりの道も作っていけたらと思う。
おかげさまで私も、新しい物語を製作中である。まだ拙いが、それでも、いただいた熱は表現出来ていると胸を張って言える。
私も住吉さんのように、誰かに熱を渡せる物書きになりたいと、自然に手を握りしめていた。少し不慣れな手つきながらも頼もしく思えたのは、いただいた体温のおかげだろうか。
『稲獣の刈人』──この作品で、私の在り方が少し変わったと思う。今この瞬間にこの場所で、言葉を綴っているのも不思議な感覚だ。だがこれは確かな手触り、座りは悪くない。
住吉さんも旅の途中。『物書き』の私には想像もつかない心労があるかと察する。ですがここに、創作の火をもらった生き証人が存在していることを、暇な時で良いから思い出して燃料にしていただければ幸いです。
こんな人間なので普段は静かですが、中身はほっかほかです。
あなたのお陰で米が美味い。瞳に映す景色が以前より晴れやかです。日常に住む言葉達が昔より優しく私に語りかけてくれる。言葉が紡げる。
創作が、楽しい。
ありがとうございます。
あなたの言葉が、今日も、私の中で響いてる。
そんな私が一心に願うのは、あなたの作品が、また違う誰かの心に火を灯すこと。祈りとも言えるかもしれません。
その一助になればと、僭越ながら火をもらった私の応援火を贈らせていただきます。
長文失礼しました。ここまで読んでいただいた方にも、この熱が届きますように。
私は文章を書くのが早いほうである。
それから、レビューを書くのは公開されているものを最後まで読んでから、というのをなんとなくルールにしてきた。
だが、この作品だけは例外である。
こんなにレビューを書いて世に知らしめねばならぬと気ばかりが急くのに、いざ人様にこの凄まじい魅力をお勧めするために最もふさわしい「ひとこと紹介」と書き出しをと思って、手が止まった。
言葉が出ない。
それぐらい、凄まじいのである。
何という言葉から書き出せば、この作品の凄みを正しくお伝えすることができるか、それが見つけられなかったのである。
まず、こう言ってはなんだが、webノベルというのは玉石混交である。
わかりやすい、わかりにくい、おもしろい、おもしろくないという尺度はあれど、「小説として引き込む力が物語と技術共に秀でている」というものには、そうたやすく巡りあえるものではない。
いや、巡り合うてしもたがな、という。
人間の(キャラクターという言い方では足りない)掘り出し方が鋭い。
物語の組み立てと語りの速度感が完璧。
そしてそれを表現するための文章力、言語の操作力が突出している。
エンターテイメントとして完璧な境地にある。
それが、本作『稲獣の刈人』である。
繰り返すが、私はまだ途中までしか読んでいない。
それでもこれは、一話読んだだけで大当たりだとわかった。
いや、数行目を通しただけでわかった。
とにかく読んでください。
何があろうと万難を排して読んでください。
私自身も和風伝奇ファンタジーを書いているため「半端でつまらん和風ファンタジーなんか死んでも読まされたくねぇ」と思うくらいには、和風ファンタジーに対してガルガルしているわけですが、
そんな私が、自作を火にくべてでも、高く高く狼煙を上げて世界に知らせて勧めたい。
なので、こうしてがんばってレビューを書きました。
最後に一言。
主人公の穂鷹が死ぬほどかっこいいかわいいです。
私、レビューは苦手なんですが、この作品はかなり好きなので書いてみます。
そもそも、新しい話が更新される度に、自ら進んで読むことはほぼしないのに、必ず読みに来てしまいます。
世界観がみっちり詰まっているし、出てくる人間の一人一人に温度と人生?を感じる。
主人公の穂鷹は、強くて真っ直ぐで素直で可愛い。彼はまだ秘密がいっぱいなので、この先の成長が楽しみです。
ちなみに私は、世話焼きな秋月と、口下手な護穀が好きです。
とってつけた登場じゃなくて、皆、そこにちゃんと体温を持って存在しているんです。
一言一言が、大切に紡ぎ出されていて、無駄がないので、現実的な非現実に浸れますよ。
濃厚な和風お米ファンタジー!
お話の世界にじっくり浸りたい人に、特におすすめします。
あー、続きが楽しみだ(*´꒳`*)
小説の内容や文体が、読書する者の五感を刺激する。
登場人物たちが感じているであろう感覚を共有させてくれるのが凄い。
また空気感として、ほの暗さや、べっちょりとした水気を感じる。
まるで黄泉国のようにも思えるが、そこに豊穣の象徴たる米がある、獣で、危険な存在だけれど。
何を伝えたいのかと言うと、本作品は雰囲気が最高ということだ。
独自の世界観をしっかりと読者に伝えてくれる出来であり、内容になってもいる。
テンプレは嫌いだ~。
と普段から述べられている方、これを読まずフォローせずでは勿体ない。
是非、読んで、フォローして、応援して、★を贈ろう。
一応、ダークな感じのあるファンタジー小説ではあるので、苦手な方は其処だけ注意だ。
破壊と豊穣をもたらす米の獣という発想力。
キャラクターたちのネーミングセンス。
洗練された言葉の躍動感。
そこに生きる少年・少女たち、大人たちのリアルな苦悩。
確かに呼吸を感じられるような深い洞察からくる描写力。
読むほどにアニメーションのように想像が膨らみます。
他の方のレビューにもありましたが、
何度も読む度に味を感じる。
嗚呼、文章で米を食べているんだなと感じます。
・・・お腹は膨れませんが。
主人公の穂鷹がね。本当にいい子なんですよ。
苦労が多い人生なのに、擦れなかったのは
家族の影響であると、暗に理解できます。
第四支部の拠点に到着した時なんかは
その素直さが際立ちます。(都会にだまされる田舎者という意味で)
国家の陰謀も垣間見えて、テンポ良く読み進められます。
刈人隊で色々な性格のキャラクターが登場します。
勝気な少女、面倒見の良い先輩。
穂鷹を嫌疑的な目で見る周囲。
赤喰いと罵る嫌味な人たち。
あなたの推しは、誰ですか?
巨大な稲の獣を狩り、その米を糧に生きるという独創的な世界観――それだけでも十分ユニークなのに、「赤米=猛毒な赤穂成」「銀米=神聖な銀穂成」という対になる存在を中心に、生態・社会構造・格差・価値観が構成されており心を掴まれました。
また、この設定が物語と噛み合っているのが素晴らしいです。
貴重な銀米が国家直属の【刈人隊】に独占され、都市部にのみ恩恵が集中し、辺境が飢えにさらされる構造は、ただの背景ではなく、登場人物たちの人生そのものに影響を及ぼしています。
世界観が雰囲気ではなく物語そのものを動かしている為、読む側は直ぐに世界観に没入できます。
第一部時点で、国家内部の陰謀【赫穂成】・【金穂成】の存在、失踪した英雄の行方、そして主人公・穂鷹自身の力の意味。「少年は何を刈り、何を守るのか」という問いの答えへ向けて、物語が面白くなっていく予感しかしません。
和風ダークファンタジー、バトル、政治劇、親子の宿命、組織ドラマのどれか一つでも好きな方にはおすすめできる作品です。
一部の最後まで読ませていただいたので、レビューする事にしました。
先ず皆さんに伝えたいのは、この作品を読みましょう。100%後悔しません。
簡単に内容を伝えると、米の獣を少年が倒すダークファンタジーなのですが、表現力が凄い。
一行読むたびに、こんな表現の仕方があるのかと感嘆します。
何と言うか、その一行の文章を生み出すのに何度も熟考を重ね、書き出したのだなと私は思いました。
腰を据えてじっくり読む程に味が出る。
同じ話を何度も読み返して、登場人物の心境を想像するのが楽しい。
その場所の匂いや温度を感じられる表現力の数々。
私の好きな一文。
"その姿を見送りながら、両手で顔を覆って掌の中でこもった叫び声を上げる。"
これですね。
やるせない気持ちを大々的に出せず、あくまでも内に留めて置きたいが、我慢できずに掌の中で叫び発散してしまう。
そんなシーンの一部ですが、分かりますか?
この表現のセクシーさ。
作者の小説に真摯に向き合う姿勢が見えてきます。
この文だけじゃないです。
このレベルがずっと続くのです。
第一部を見終わった頃にはファンになっていると確信しております。
後、銀の米を食べたくなります。
そんな唯一無二の作品です。
最後まで読み終えてからレビューするつもりだったのですが、嬉しいことにかなりの長編になりそうだし、第1部完(23話)でキリが良いので、いったん書きます。
序盤の印象を乱暴に表現すると、『もののけ姫』と『鬼滅の刃』を足して2で割り、そこにお米を加えた感じ(!?)というものでした。稲が敵の形状や生態のモチーフになっている点がまず面白いのですが、それが奇抜なワンアイデアではなく、しっかりした知識に基づいてデザインされているところが素晴らしく、興味深い。その稲獣たちに立ち向かう国家直属の精鋭部隊『刈人隊』の規則、隊服、その生地に至るまで、世界観が丁寧に構築されています。
そうした土台の上に王道の安定感があるアクション活劇が展開されていくのですが、語り手である作者さんの筆力がとても高い。冒頭2行を読むだけで、映像描写の精度と詩情に満ちた視点を感じ取れるはず。
『谷は焼け崩れ、斜面には刈人たちの亡骸が累々と転がっていた。川面には息絶えた者たちの影が無数に漂い、枝に引っかかった死体が吊るされるように揺れている。』(プロローグ)
また、特筆すべきはアクションシーン。
動作と反応を仔細に捉えているだけでなく、痺れるほどカッコいい。
『稲波は両手を交差させ、二振りを重ねて首を挟み、そのまま素早く外へと裂いた。首は胴を離れ、鈍い音を残して落ちる。間を置かず、両の首の付け根へ刃を沈めると、巨体は前のめりに沈み、稲の脚が膝を折って地を受けた。』(11話)
アニメにしたら、ものすごく『映える』はず。
ただ、僕は良い物語というものは決して映像作品の「部品」ではなく、それ自体が独自の映像を持っていると思っていて。この作品が大手スタジオによって超絶スペクタクル映像になったとしても、文字で読んだときに脳裏に浮かんだ光景の方がリッチかもしれません。この物語には、そういう豊かさがあります。
また、僕が感嘆したのは食事のシーン。
『木の器に粟と稗を軽くよそい、湯を注いでから刻んだ大根葉でかさを増やす。』(2話)
食事を支度する一文に、生活の苦しさやそれに対応する日々の工夫まで盛り込まれているのです。これは、作者さんの頭の中に物語世界や人物の明確なイメージがあり、考えて書くというより観察するように描いているからではないかと感じました。
と、ここまで世界観や文章について触れてきましたが。
単純に、話が面白いんですよね。
登場人物の心の動きを丁寧に追ってくれるし、刈人隊が登場してからは一気に場が華やかになって。無線的なものを使って刈人たちが稲獣へと殺到するシーン、強者感をもりもり出してくる新キャラたち、鳥肌が立つくらいテンションが上がりました。14話『食堂のふたり』みたいに、ちょっと息抜きのパートも人物が生き生きしていて楽しいです。個人的に、こういう回をもっとちょうだい! と思います。葉鳥さんはヒロイン枠に入ってくるのだろうか(俗な意見)。
第1部で一番好きなのは、主人公の姉である鈴芽さんが刈人たちと邂逅し、傘と草履を代理で売ってもらうエピソード。些細なことで尊厳が踏みにじられて鈴芽さんが内心で懊悩する姿が……こう……グッとくる! 幸せになって欲しい!!
まだ第1部、ここからさらに面白さが加速していくと思いますので、続きを読むのが楽しみです。未読の方がいらしたら、ぜひ。
最後に。作者さんの本業(?)を反映してか、ゲーム的な要素が散りばめられているのも見逃せません。人類の脅威に立ち向かう刈人隊という組織、稲獣の出現時間や形状(十二支モチーフ)の設定など、そのままシミュレーションゲームにできそうな造り。赤穂成がイベントで同時多発発生して、SSRの隊士が足りなくなって、モブ刈人まで使って拠点防衛戦とかをやるんだ、きっと……。