概要
◎作者多忙につき、更新日は不定期です。
都会での生活に疲れ、故郷の島へ戻った青年・相川湊人。
民宿を継ぎ、「体験ダイビング」を新たな目玉にしようと動き出す彼の前に現れたのは、かつて海で命を救ってくれた男――地元のベテランインストラクター、鳴海颯太だった。
だが二人の間には、十五年前の海難事故という消えない影がある。
島に残された疑念。語られなかった真相。
そして、それぞれが胸に抱え続けてきた傷。
深く潜るほどに、隠されていた事実は浮かび上がる。
沈
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!島の男たちの息づかい
文章が美しく、読みやすいのはもちろんのこと、
「この作家さんは離島で暮らしたことがあるのだろうか」
「ダイビングを仕事にしていたの?」
「船の操縦をしたことがあるの? ライセンス保持者?」
と聞きたくなるくらい、描写がリアルで生々しいです。中でも、内地から離れた島特有の人間関係の粘っこさを表現するのがうまいこと。「そうそう、こういう漁師さんいるよね……」と、読みながら思ってしまいました。
サポーター限定の断章には、本編で描かれている以上に、この作品の世界観が奥行深く練られていることを感じさせます。
この作品を描くために、作者さんは実際に小さな島をひとつ作ってしまったのではないかと思うほど。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!閉鎖的な離島で展開される極上の海洋サスペンス!
いつもは重厚な文体でSFを中心に執筆されている瑞唏よう子さんの、珍しいサスペンスドラマです。海の守り神として龍が出て来ますが、こちらは要所で出て来るスパイス程度のもので、SF要素は濃くありません。
舞台は、本州から遠く離れた離島、久遠島。そこに、都会で傷ついた主人公相川湊人が民宿を経営するために帰ってきます。島で出会ったのは、生まれてこの方ずっと島で暮らしている水城かなえ、そして、湊人の幼馴染、頼れる兄貴分である鳴海颯太。
しかし、颯太は、15年前の海難事故の生き残りであり、同乗者を殺した疑惑がもたれ、島内で冷たく扱われています。そこで、その無実を晴らすため、湊人も一緒に事件の解明に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!蓋をされ続けてきた島の秘密が、島に帰ってきた青年をきっかけに動き出す
ずっと疑問を持っていた。
あの日の記憶の答えを知りたかった。
故郷の島に帰ってきた湊人は、民宿を開くために準備をする。
その過程で明らかになっていく事情。
まじわってくる人たち。
結婚して今は島にいない姉の千晶
姉元彼で、兄と慕っていたダイビングスクールの颯太
観光協会のかなえ
不審なことを話す島じい
駐在所の涼介
etc……
誰もが何かを隠しているように、湊人は釈然としない。
小さな島で絡み合うのは因習、思惑、噂。それとも?
知りたかった答えを湊人は手に入れられるのか?
点と点が線になったとき、
あなたもきっと碧い海の呼吸と潮の匂いを感じ取れるはず。 - ★★★ Excellent!!!🌊癒やしと絶望.都会で壊れた青年が、島の「禁忌」に触れる深海ミステリー
都会での仕事に疲れ果て、逃げるように故郷の島へ戻った主人公・湊人。
そこで彼を待っていたのは、懐かしい潮の香りと、15年前の忌まわしい記憶でした。
本作の最大の魅力は、読み手の五感を支配する圧倒的な情景描写です。
水中で響く自分の呼吸音、焚き火の温もり、そして島特有の閉塞感。
一見、美しい再会と再生の物語に見えますが、その底には息の詰まるようなミステリーが横たわっています。
15年前に起きた沈没事故、父の自死、そして姉が隠し続けてきた衝撃の真実。
「癒やし」と「絶望」が交互に波寄せる展開に、一度読み始めると潜水病にかかったかのように目が離せなくなります。
静かな夜に、深く、深く潜りたい方…続きを読む - ★★★ Excellent!!!胸の奥まで潜らせる、蒼い物語のうねり
本作は、冒頭の「――もう、限界だった。」という一文から一気に心をつかみ、都会で擦り切れた主人公が故郷の海へ戻る必然性を鮮やかに描き出しています。
ポスターに心を射抜かれる瞬間や、水中で差し伸べられた手の記憶など、視覚と感情が重なる場面描写がとにかく美しく、読者の胸の奥まで潮の匂いを運んできます。
特に、水中でマスク越しに視線を交わすシーンは、言葉を超えた信頼の芽生えを静かに描き、二人の関係性に強烈な説得力を与えています。
島の寄り合いの温かさと、突如投げ込まれる「兄貴を死なせた男だ。」という一言の落差が物語を一段と深くし、空気が凍る感覚まで伝わってきます。
さらに、父の死や怪文書、沈…続きを読む - ★★★ Excellent!!!久遠島。それは祈りが形を持つ場所——境界に立つ海で、過去が呼吸を始める
🐱 第一部(13話)読了時点のレビューです🤿
確かな筆致で描かれる情景描写に、
久遠島という舞台が鮮やかに立ち上がってくる作品でした。
望月涼介と鳴海颯太の登場シーン。
胸が温かくなる再会から、一転して緊張へと傾いていく流れに、
一気に引き込まれました。
第7話以降、家族のとある過去や父の墓地の場面をきっかけに、
物語は大きく動き出します。
特に土葬の風習の描写は、久遠島という土地の重みを強く感じる場面でした。
父の記憶に触れる湊人。
彼の中のその存在感を静かに強く感じ、そんな中で揺れ動く湊人の姿に、
ふと胸が熱くなりました。
第11話、いよいよ海へ。
静かに深い蒼、龍と鷹の対…続きを読む