信長なき戦国で――覇王に仕える覚悟はあるか
- ★★★ Excellent!!!
「信長がいない戦国」という一点だけで興味を引くのに、そこからさらに 覇王は姫・戦場はロボット・忠義は命がけ と畳みかけてくる、非常に攻めた異世界戦国譚です。
主人公、藤吉郎が仕えることになったのは、天下布武を掲げる紅き覇王――織田ノーブル姫。
その存在感は圧倒的で、一言一動が場の空気を支配する“本物の支配者”。
しかしその裏では、酒に酔い、寝坊し、感情の起伏も激しい「うつけ姫」という顔も持っています。
藤吉郎が武器にするのは力ではなく、忠義・観察・そして「空気を読む決断力」。
覇王の気まぐれと理不尽が支配する世界で、どう生き残り、どう信頼を勝ち取っていくのか——。
そして本作に登場する巨大ロボットは、SF的な浪漫や派手さではなく、この世界における「兵力」「威信」「支配力」を最も分かりやすく具現化した存在と感じました。
当然、ロボットに乗れば即無双、という都合の良さはなく、扱えなければ命を落とす。
だからこそ、戦闘の一つ一つに緊張感があり、主君の命令に従う重みが伝わってきます。
設定のインパクトに目を奪われがちですが、これは “忠義で生き残る物語” なのです。
一話を読めば、この覇王姫の行く末を見届けずにはいられなくなるはずです。