数理から広がる、予測不能な物語

巡回セールスマン問題に始まり、量子的な題材を高校生たちの日常ドラマの中に自然に織り込んでいて惹きつけられました。

凪の順位で呼ぶ特性や、幻覚のように現れる虹の糸は、彼女がただの天才少女ではないことを示していて、不思議な期待感を持たせます。

スクールカーストや家庭環境というテーマも描かれ、単なる学園ミステリに留まらず人間ドラマとしても丁寧に描かれています。

朔の探究心と、凪の孤独がどう交わっていくのか、量子世界と人間の心がどのように重ね合わさっていくのか……

さらに、作者さんがコメントで触れてくれたように、各話タイトルに複数のメタファが仕込まれている点も読み解きの楽しさを広げていて、考察好きにもおすすめです。

その他のおすすめレビュー

桜城プロトンさんの他のおすすめレビュー102